うずらの卵がアクセサリーに!確かな技術と独創性が織りなす世界--清水政紀【ファツションの“未来”たちに聞く】
それでいろいろ調べて、ITSの受賞者を多く輩出していた「ここのがっこう」に入学し、今回の応募に至りました。ーー応募のきっかけとなった出来事は何ですか?今までハイジュエリーの世界でずっと作品を作っていたので、コンテストの主催者側は宝飾専門の有名な企業ばかりでした。そういった経緯もあってハイジュエリーのクオリティーで作品を見る癖がついていたんです。でもITSの中里周子さんの作品はハイジュエリーの素材や技法は使わずに、作品のコンセプトで勝負してITSでグランプリを受賞していた。だから、自分もハイジュエリーではない作品を作ったらいけるんじゃないかな、と思ったのがきっかけですね。ーー作品のモチーフはどんなものから思いつくのですか?“ニッチ”なものですね。誰でも知っているけど、それを使って誰もジュエリーを作ったことがない、使い方が今までにないものをモチーフにしています。例えば、祝儀の包み紙などにかける飾り紐の「水引」。
ああいう伝統的で馴染みのあるものに自分なりの感覚を加えて、添え物的な存在だった水引を主役にしたらどうなるかなぁ、とか。今回は“うずらの卵”を素材にしているのですが、似たジュエリー作品は他になかったし、このコンテストなら“生きがいい”のが好まれそうだな(笑)