くらし情報『写真と文学の邂逅に魅せられるこの1冊、NADiff a/p/a/r/t・スタッフが選ぶ2016年ベストオブブック【vol.5】』

2016年12月31日 21:00

写真と文学の邂逅に魅せられるこの1冊、NADiff a/p/a/r/t・スタッフが選ぶ2016年ベストオブブック【vol.5】

『Odasaku』森山大道

毎週木曜日に連載企画「今読むべき1冊」を担当いただいている、東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)に、2016年もたくさんの書籍をご紹介いただきました。今回は1年の締めくくりに、ナディッフ アパートの5人のスタッフが“2016年発行の書籍の中から選んだベストオブブック”を31日まで毎日1冊ずつお届けします!最後の5日目は、スタッフSさんが選ぶ2016年ベストオブブック。『Odasaku』森山大道グラフィックデザイナーの町口覚が、1946年に発表された織田作之助、通称・オダサクの小説『競馬』に、写真家・森山大道が大阪で撮影した写真作品を加えて編み上げた作品集。本作『競馬』は、一人の女と二人の男の生のドラマに、競馬レースの極致的な高揚と緊張の場面とが、重なり合うように活写される短編作品である。人生の「番狂わせ」というような予期せぬ出来事の到来や、登場人物たちが抱えるやりきれない悲哀や刹那に、森山大道の写真の街路の深い陰影と、都市の雑然を写したディティールや混沌のノイズがぶつかり合い、共振する。大阪が出生地という共通項を持つオダサクと森山大道の生にも歩み寄りながら、町口がなぜ『競馬』を題材に選んだのかは、巻末のあとがきに記されている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.