“政治”“デモ”の空気感をスタイルに、N°21が感じる時代の変化【2017-18秋冬メンズ】
ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)の2017-18年秋冬メンズコレクションが1月16日、ミラノで発表された。前シーズンはプレゼンテーション形式での発表。今回がショー形式での発表となった。その意図は「今回のコレクションはある一時代のカルチャーに由来していますが、そこには、このコレクションが現状に変化をもたらすきっかけとなり、同時に論議を促す契機になれば、という願いも込められています」というデザイナー、アレッサンドロ・デラクア(AlessandroDell'Acqua)によるコメントからも読み取れる。“一時代のカルチャー”とは70年代のデモや政治的集会のイメージ。デラクアが今シーズンのテーマとして「多様性」「自由」「抗議」「団結」を打ち出したのは、70年代の“デモ”に参加した人々の人間像に共感したからだという。図らずもプラダが今シーズン発表した70年代へのオマージュとダブる。1949年ミラノ生まれのミウッチャ・プラダ、1962年にナポリ生まれのデラクア。
表立ってファッションにメッセージ色を打ち出してこなかったミラノで、政治的な背景がテーマに据えられているのが興味深い。シープスキンとナイロンのマウンテンパーカー、迷彩とチェックのMA-1やシャツジャケット、ネオプレンとナッパレザーやウールのコートなど異素材、異質なパターンとの組み合わせを過剰になり過ぎず、都会的に仕上げられている。それはキャメルのコートに迷彩のニット、ピーコートやダッフルに施されたベルトストラップなどのミリタリーモチーフ、オーバーサイズの中綿ジャケットやレイヤードされたチェックシャツなど、さまざまな70年代のディテールや素材感が引用としてベースとなっている。刺繍の施されたフード、カーディガンのステッチ、トレッドソールとスタッズがアクセントとなったシューズ、同ブランドのベースとなるシンプルな黒のパンツから覗く足首のエルラインまで、デラクアらしいこだわりは、2000年以降のヒップホップやスケートカルチャーとはまた違った、デラクアらしいストリートカジュアルの再解釈を感じさせる。Text: 野田達哉
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