2017年2月28日 19:00
戦う現代女性のための美しい鎧、シモーネ・ロシャ【2017-18秋冬ウィメンズ】
2月19日シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)が2017-18年秋冬コレクションを発表した。昨年ブリティッシュ・ウィメンズウェア・デザイナー賞を受賞し、今月ニューヨークに旗艦店をオープンさせたばかり。最も勢いのあるブランドは今季、現代社会に生きる女性の“怒り”を表現した。それは政治的混乱による全世代、全世界の女性に連鎖していく怒りだが、憎しみや悲壮感とは違う。フリルや丸みを用いてロマンティックで少女的だった過去のコレクションに見られたアプローチはなく、ベルヴェットや毛皮といったリュクスな素材で作るミリタリーを強調した。ファーストルックは「泥にまみれた戦場」を表現したという、深いブラウンのトレンチコート。厚いベルヴェットを贅沢に使った。襟やスリーブ、ウエストラインに曲線的なカットを入れて女性らしさも加味されている。
色はカーキからブラック、グレー、ホワイトへと変化していく。総レースのコートや小ぶりな花の刺繍をあしらったアウター、フェイクファーの大きなベルト付きのコートなど、シモーネ・ロシャのロマンティシズムもしっかり感じられる。いくつものルックで見られた、まるで守るかのように小脇に抱えたフェイクファーのストールや、ビジュー付きのソックス×サンダルの足元によって、どこか子どもっぽいアティチュードが漂う。