ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)によるヴァレンティノ(VALENTINO)は3月5日、旧ロスチャイルド邸を会場に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションショーを開催した。19世紀のヴィクトリアンと80年代のムーヴメントであるメンフィスのスタイルを取り入れながら、画家でデザイナーのナタリー・ドゥ・パスキエ(Nathalie Du Pasquier)の作品を思わせるポップなモチーフも登場させ、両極にあるもの、通常では馴染まないものをあえて組み合わせてモダンなコレクションに仕上げている。そのコンセプトは素材使いにも現れており、ゴートファーやクレープなど、異素材同士を繋ぎ合わせるという高度な技術を用いたドレスも多く見られた。ポップなモチーフをカラーミンクのパッチワークで表現したコートと同モチーフをプリントしたニットドレスのセットアップがモダンな印象を与えるが、漆黒のジェットビーズを刺繍したレースとチュールのドレスなど、伝統的なクチュールのスタイルに則ったルックもしっかり見せている。その他にも、ほぼ全てを手縫いしたダブルフェイス素材のコートとトップスとパンツのセットアップや、ドットをマイクロシードビーズの刺繍で表現したフェルトパネルのドレスまで、クチュールメゾンならではの繊細な作品ばかり。