今まで見たことのないユニークな箒をつくる熊本のクラフトショップ「OPEN STUDIO」【九州のクリエイターたち:02】
Photo by Nonoko Kameyama (c)FASHION HEADLINE
三越伊勢丹とビームス(BEAMS)がタッグを組み日本各地の魅力を再発見するプロジェクトイベント「STAND九州」が、3月29日より伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージとビームス ジャパン1階でスタートする。FASHION HEADLINEでは、同イベントに参加をする九州のクリエイターたちにスポットをあて取材を行った。連載第二回目は、熊本の「オープンスタジオ(OPEN STUDIO)」を紹介する。■オープンスタジオ “日常のユーモアをデザイン"自身で編んだ箒に、アイスホッケーの柄を組み合わせた斬新でユーモアのセンスあふれるオリジナルアイテム。工房には、その他にも、テニスラケット、ギター、三味線、空き缶などを柄にしたものなど、ここにしかないデザインの箒が大小さまざまに揃う。この発想は一体、どこから生まれたのだろう。熊本市内にある蔦に覆われた印象的な工房「オープンスタジオ」は、1979年に吹きガラスの工房としてオープンした。オーナーの高光俊信さんをひと言で表せば、才気溢れる“デザイナー”である。
高光さんは、大学生の時分から福岡で紙のデザインを師から学び、その後、イギリスでは吹きガラスの技法を、次の10年はアメリカの工芸学校で金属を学び…といった具合に、1素材10年構想で次々と自分のものにしていった。その途中で、白水村の牛小屋を改装して「ASOギャラリー」を開設したり、北アイルランドで海外初の個展「和紙と光のインスタレーション」を開くなど表現活動も同時に行なってきた高光さん。そして、今ではあらゆる素材を生かして、頭の中に浮かぶアイディアをデザインし具現化している。箒づくりを始めたきっかけは、意外にも、五右衛門風呂を逆さにして造った薪ストーブから鉄の薪ストーブを造り、販売する中で、灰の処理や掃除に使う箒が必要になったからなのだとか。そこで、アメリカの工芸学校を再訪し、1週間という短期間で、アメリカ式の箒の編み方を習ったそうだ。現在では、アメリカ式の箒の編み方から、さらに丈夫に使える自身のオリジナルの編み方を生み出し、デザインを発表し続けている。「日常でふっと感じたこと、頭から離れないことなど、そこから発想の転換で、今までにない新鮮なものが生まれる、それが私の仕事」と話す高光さん。デザインやものづくりをする際に、大事にしているのは、「既成概念にとらわれない」ことだという。
バイタリティは衰えることなく、思い描く最終着地点は、自身が学んだものを分かち合う「ものづくり教育」。現在も「ASOギャラリー」で「阿蘇ものづくり学校」という取り組みを行ない、トンボ玉とイヤリング制作や、阿蘇に自生するススキで箒づくりなどのワークショップを定期的に開催。ともに仕事をしている息子の太郎さんと、地域でものづくりの教育・支援に取り組めるようなASOものづくりネットワーク構想を考えている。驚きや感動…人の心を動かすモノやコトを生み出し続けている高光さん。その手は、魔法の手であり、努力の手なのだ。「STAND九州」では、オープンスタジオの箒の柄に靴べらを組み合わせたユーモラスで実用性溢れるオリジナルアイテムが登場する。【イベント情報】「STAND九州」■伊勢丹新宿店会期:3月29日~4月4日場所:伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ時間:10時30分~20時■ビームス ジャパン会期:3月29日~4月11日場所:ビームス ジャパン1階時間:11時~20時【取材協力】「OPEN STUDIO」住所:熊本市中央区本荘町672-2電話:096-366-5964営業時間:9時~18時定休日:年中無休
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