「エシカルファッション」に対抗する「ジャパンレザー」の愁苦【COLUMN】
ファストファッションブランドにおける過剰生産、廃棄ロス、労働搾取、環境汚染などの問題から端を発した、「エシカル」(=倫理的な)の流れは、欧米ではこの数年でファッションブランド、消費者意識の新たな付加価値としてすっかり定着した。1990年代にハイファッションブランドを標的にしたアクティビストの行動が活発化し、1991年にカルバン・クラインがファーフリー(動物の毛皮廃止)を宣言。以降ラルフ・ローレン、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ヴェルサーチェ、ステラ・マッカートニーなどが動物実験に反対し追随した。
2018年春夏にグッチがファーフリーを宣言したケリンググループは傘下のイヴ・サンローラン、アレキサンダー・マックイーン、バレンシアガなど全ブランドを2022年秋までに排除を宣言した。プラダは2020年春夏シーズンからのファーフリーと並行して、カーボン・ニュートラルに向けた取り組みとして2021年秋にヴァージンナイロン製品をすべて再生ナイロンへの置き換えを完了している。
2020年2月ミラノで開催されたMIPELに出展したビーガンレザーを展開するアルケミ アトリエ(ALKeMe ATeLirR)