北極圏最北の街をとらえた石川直樹の写真集。リニューアルしたNADiff a/p/a/r/tで展覧会も【NADiffオススメBOOK】
木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、写真家・石川直樹の『Svalbard』。12月1日にリニューアルオープンしたばかりの東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff a/p/a/r/t 1階)によるご紹介です。
■『Svalbard』石川直樹
ぼくの知らないところでシロクマがアザラシに食らいついている。と同時に、誰かがぼくの携帯電話を鳴らし、そこでは昼夜を問わず忙しく働いている人がいる。そういう世界に生きていることを、ぼくは極北の島の上であらためて知る。(『Svalbard』より抜粋)
世界中で旅と冒険を重ねながら、写真を撮り、言葉を紡いできた写真家・石川直樹。写真集『Svalbard』には、グリーンランドの北東、スカンジナビア半島のはるか北に位置する、スヴァルバールという群島を巡り、撮影した写真が収められている。
石川直樹は、厳しい寒さが残る2007年4月にはじめてスヴァルバールを訪れ、10年後の2017年には、6月から7月の夏の時期に2度目の撮影を行った。最低気温-30℃以下にまで冷え込む土地に人々が暮らす街があり、その極北の街を一歩出れば、野生動物たちが暮らす荒野と海が広がる。