くらし情報『ポーランド女性作家の映像表現に注目した展覧会が東京都写真美術館で開催』

ポーランド女性作家の映像表現に注目した展覧会が東京都写真美術館で開催

そして、世代を異にする女性アーティストたちが、自身のおかれた社会環境を見つめ、それぞれの表現方法で発信する術を、いかに見出してきたかをたどる、きわめて意欲的な展覧会だ。

ポーランド女性作家の映像表現に注目した展覧会が東京都写真美術館で開催
アンナ・クテラ 《対話》 1974年 Courtesy of the artist
みどころの一つは、ポーランド女性作家が選んだ「アート」という闘いかた。世界的に広まった#MeTooや日本の#KuTooなど、女性に関する問題は、いまも日常的に身近なところで起こっている。ポーランドでは伝統的な慣習が大切にされ、女性には「良き母」「良き妻」「良き娘」そして、「良き働き手」であることが理想として求められてきた。また、東欧と西欧の格差による差別や、多様な性への偏見といった根深い問題もあり、これらは時に、女性たちの自己実現を難しくしてきた。

このような目に見えないさまざまな問題と向き合うために、ポーランドの女性作家たちは、社会のなかで自分らしく生きるための術として、「アート」を必要とした。彼女たちが挑む、しなやかな闘いかたは、性別を越えて、私たちに、社会のなかで自分らしく生き抜くためのアイディアと希望を与えてくれるはずだ。


ポーランド女性作家の映像表現に注目した展覧会が東京都写真美術館で開催
ズザンナ・ヤニン 《闘い》 2001年 Courtesy of Zuzanna Janin Studio and lokal_30, Warsaw
実験的な映像表現にも注目したい。

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