ジャガー・ルクルトが葛飾北斎にオマージュを捧げる 2つのタイムピースを発表
指を広げて地球を抱く巨大な手をイメージさせるこの作品は、自然、人間、動物の関係性を見事に表現しています。
Courtesy of JAEGER LECOULTRE
細密画における芸術性と正確さ
レベルソのケースバックに描かれた細密画には、仕上げにジュネーブ技法が使用されていますが、この下には800°Cで焼成されたエナメルが少なくとも14層重ねられており、これには合計80時間におよぶ入念な作業を必要とします。北斎のオリジナルの色使い(グラデーションを描くボカシ効果を含む)をまったく異なる手段で再現するという技術的偉業に加え、エナメル職人にはオリジナルの約10分の1のサイズで、あらゆるディテールを寸分の狂いもなく正確に再現するという課題も課されました。最も注目に値するのは、フレームの上部にあるカルトゥーシュです。このカルトゥーシュには、オリジナルのキャプションが非常に小さなサイズで手書きされており、見事なまでに正確に再現され、完全に読み取ることができます。エナメル職人は、この技術的偉業を習得するだけでなく、それぞれの作品に感情と魂を吹き込むように、北斎のオリジナルの意図とタッチを表現することが求められます。