津村耕佑のファッション美学。歴史・素材・環境からモードをレクチャー
津村耕佑誌
デザイナー津村耕佑によるセミナー「モードとテキスタイルファッションとは逸脱の美学である」が11月20日、東京国際フォーラムで開催された。「JFWジャパンクリエーション2014(JFW JAPAN CREATION 2014)」の「JFW-JC FORUM」で行われたもの。「テキスタイルは服の素材であると共に、空間を構成するマテリアルである」という考えの下、ファッションとテキスタイルについて、検証した。
セミナーで津村は、ファッションの過去と現在について、モッズコート、アランセーター、ダッフルコート、トレンチコート、ミリタリールックなどを例に「ファッションはもともと貴族のものだった。しかし、若い人がファッションをリードするようになり、塹壕(ざんごう)に入るためのトレンチがファッションになるなど、本来の機能や意味とは別の文脈を持つものになった。最近ではコスプレとコレクションの境界線がなくなっている。スマートフォンなどのITツールを使ったコミュニケーションやゲームがファッションが持っていたつまらない日常を楽しくするという役割を果たし、着飾ることよりも楽しい時代になっている。また、パンクファッションは特別なスキルはいらない、誰でも表現できることを示したが、ここ数年、アートでもアーティストが構図を決め、自分の内面を表現するというやり方ではない自動変換のようなものもあるし、3Dプリンターによって誰でも服を作ることができるような時代も、そう遠くないだろう」