フランク・ゲーリーの魚ランプ新作、ガゴシアンギャラリーを遊泳
FRANK GEHRY「Untitled (London V)」 2013年
ロンドンのガゴシアンギャラリー(Gagosian Gallery)で、フランク・ゲーリー(Frank Gehry)による照明作品「Fish Lamps(魚ランプ)」シリーズの新作が展示されている。12月21日まで。
フランク・ゲーリーは現代を代表する建築家として世界的に知られるが、工業材料などのユニークな素材を使った彫刻も精力的に制作している。同照明シリーズは、1983年に建材メーカーの「フォーマイカ(Formica)」から、Color Coreという当時の最新プラスチック板を素材に作品制作を依頼されたことがきっかけで誕生。制作中にうっかり板を割ってしまい、その破片が魚の鱗に見えたことから着想を得たという。
新作では、これまでよりも素材の板が大きく荒削りになり、巨大なサイズの作品を取り入れるなどデザインのスケールを広げた。作品の魚の群れは木製の台座を迂回するように、壁に垂直に、あるいは天井から吊るしてシャンデリアのように、空間全体を使って設置されている。まるで会場を泳ぎまわるかのような躍動感に満ち、貼り合わせられた鱗の間から、柔らな光が溢れる。