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「デザインの先生」──ムナーリからラムスまで、6人の巨匠から学ぶ“これからのかたち”が21_21 DESIGN SIGHTに集う

FASHION HEADLINE
21_21 DESIGN SIGHTで、企画展「デザインの先生」が開催されています。会期は2025年11月21日から2026年3月8日まで。展覧会ディレクターには、デザインジャーナリストの川上典李子氏と、キュレーター/ライターの田代かおる氏が務めています。

「デザインの先生」──ムナーリからラムスまで、6人の巨匠から学ぶ“これからのかたち”が21_21 DESIGN SIGHTに集う
photo by ©FASHION HEADLINE
多くの情報が瞬時に行き交い、価値観が大きく揺れ動くいま。生活や社会のこれからを考えるうえで、「デザインを通して多様な視座を示してきた巨匠たちの活動を、あらためて振り返る」という問いから本展は出発しています。

「デザインの先生」とは──戦後ヨーロッパの6人のマエストロ
本展が「デザインの先生」として焦点を当てるのは、20世紀を代表する6人のデザイナーです。

ブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari、1907–1998)
絵画、彫刻、グラフィック、プロダクト、写真、教育まで、分野を横断して活動したイタリア・ミラノ生まれのマルチな表現者。未来派から出発し、「役に立たない機械」などの実験的な作品や、「ダネーゼ」との協働による知育玩具・プロダクト、数々の絵本や著作を通して、遊びと知性を往来するデザイン観を提示しました。


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アキッレ・カスティリオーニ(Achille Castiglioni、1918–2002)
ミラノ工科大学で建築を学び、「アルコ」や「タッチア」に代表される照明デザインで知られるイタリアのデザイナー。兄たちとの共同スタジオで工業デザインを展開し、イタリア工業デザイン協会(ADI)の設立にも携わるなど、プロダクトと教育の双方でモダンデザインを牽引しました。

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マックス・ビル(Max Bill、1908–1994)
バウハウスで学び、建築家、芸術家、グラフィカー、ゲシュタルターとして活動したスイスの巨匠。具体芸術運動を牽引し、「ウルム造形大学」の創設と校舎設計、ユンハンスの時計や「ウルム・スツール」などを通して、「環境形成」としてのデザインを追究しました。
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オトル・アイヒャー(Otl Aicher、1922–1991)
戦後ドイツを代表するグラフィックデザイナー。ウルム造形大学の共同創設者として教育の場づくりに関わり、ミュンヘンオリンピックのビジュアル・アイデンティティやルフトハンザ航空のCIなど、情報と環境を統合するデザインで国際的評価を得ました。

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エンツォ・マーリ(Enzo Mari、1932–2020)
「ダネーゼ」社とのプロジェクトをはじめ、家具やプロダクトのデザインを通して、形態の背後にある倫理や生産のあり方を問い続けたイタリアのデザイナー。著作『プロジェクトとパッション』に代表される批評性の高い思索は、日本企業との協働にも受け継がれています。


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ディーター・ラムス(Dieter Rams、1932–)
ブラウン社のデザイン部門を牽引し、「より少なく、しかしより良く」という思想と「良いデザインの10ヶ条」で知られるドイツのインダストリアルデザイナー。シンプルで機能的なプロダクトは、現代の家電・デジタル機器にも連なるデザイン言語を築き上げました。

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6人はいずれも、デザイン教育に関わった人物を含みつつ、「信念と希望を胸に活動し、各時代の先を探り、社会の新たな局面を切りひらいた存在」である点で共通しています。加えて本展では、マックス・ビルやオトル・アイヒャーに学び、日本におけるデザイン学の基盤を築いた向井周太郎の視点にも触れ、戦後日本のデザイン教育との接点を紹介します。

ディレクターが見た共通軸──「かたち」を越えて、構想者としてのデザイナーへ 川上典李子氏と田代かおる氏は、6人の「先生」を同じステージに招いた理由として、仕事の手法や生き方は異なりながらも、共通してヒューマニティと環境を視野に入れた営みとしてプロジェクトに取り組んでいたことを挙げています。彼らは自らを、単なるスタイリングの担い手ではなく、ドイツ語でGestalter / Entwerfer、イタリア語でProgettista──「構想する者、設計する者、プロジェクトを行う者」として捉えていました。

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ディレクターはその言葉遣いに注目し、「デザインを、個々の製品の造形にとどまらない、統合的な営みとして理解していた証」と位置づけます。優れた“かたち”の背後にあるのは、長い時間をかけて重ねられた思索と試行錯誤。
その積み重ねが、時代や地域を越えて輝きを放ち続ける理由であり、現代においてもなお参照すべき指針だといいます。

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混沌とした現代において、「私たちはここからどう進むのか」。本展は、6人のマエストロのプロジェクトを通して、その問いを来場者一人ひとりに投げかけます。

展示構成──プロジェクトと哲学を読み解く場として 会場では、6人の代表作やプロセスを示す資料に加え、当時の写真や映像、本人の言葉を通して、その思考に迫る構成が用意されています。まず目を引くのが、菱川勢一氏(DRAWING AND MANUAL)による映像インスタレーションです。写真と、本人たちが語る映像を重ね合わせ、6人の活動と発言を立体的に紹介。武蔵野美術大学 基礎デザイン学科の協力により、オトル・アイヒャーに関する、これまで一般公開されてこなかった映像も上映されています。

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さらに、各「先生」とゆかりの深い組織やブランドにも光が当てられます。
ムナーリ、カスティリオーニ、マーリらが関わった、イタリア・モダンデザインを象徴するインテリアブランド「ダネーゼ(DANESE)」の創業理念。ビルとアイヒャーの実績を語るうえで欠かせない、ウルム造形大学の教育思想と、その系譜を日本に接続した向井周太郎氏の仕事。プロダクトや資料の展示は、単に名作を並べるのではなく、「デザインの先生」を取り巻くネットワークや思想の広がりを示すものとして構成されています。いま、「先生たち」から何を受け取るのか 代表作の造形や仕上げの美しさに目を奪われつつ、その背後にある哲学や社会への視線にまで意識を向けるとき、6人の「先生」は、私たちが主体的に考え、行動し、次の一歩を選び取ることを期待していた存在として立ち上がってきます。デザインは、「考え、つくり、伝える」行為を通じて、生き方そのものと結びついていく。本展は、そうした原点に立ち返りながら、これからの社会に対してどのようなメッセージを投げかけていけるのかを来場者とともに考える場となります。

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とてつもない好奇心と探究心、そして勇気を携えて時代を切りひらいた6人の「デザインの先生」。彼らのプロジェクトとことばに向き合うことは、日常を取り巻く“かたち”の見え方を少し変えてくれるかもしれません。


【開催概要】
タイトル:21_21 DESIGN SIGHT企画展「デザインの先生」
会期:2025年11月21日(金)– 2026年3月8日(日)
休館日:火曜日、年末年始(12月27日–1月3日)
開館時間:10:00–19:00(入場は18:30まで)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
           〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
入場料:一般1,600円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
アクセス:都営地下鉄大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、 東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会、イタリア大使館、スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館
助成:サカエ・シュトゥンツィ基金
特別協賛:三井不動産株式会社
協力:国立工芸館、武蔵野美術大学 美術館•図書館、学校法人多摩美術大学、有限会社クワノトレーディング(パージナ)、株式会社竹尾、株式会社デルフォニックス、フロスジャパン株式会社、株式会社メトロポリタンギャラリー
展覧会ディレクター:川上典李子、田代かおる
企画協力:向井知子、板東孝明(武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 教授)
企画協力、告知グラフィックデザイン:SPREAD
会場グラフィックデザイン:UMA/design farm
会場構成:TONERICO:INC.
映像制作: 菱川勢一(DRAWING AND MANUAL)
21_21 DESIGN SIGHTディレクター:佐藤 卓、深澤直人
アソシエイトディレクター :川上典李子
プログラム・マネージャー:中洞貴子
プログラム・オフィサー :安田萌音

提供:

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