SOSHIOTSUKI 2026年秋冬、ピッティ・ウオモで提示されたテーラリングの再解釈
SOSHIOTSUKIの2026年秋冬コレクションは、テーラリングにおける細部の操作と、そこから立ち上がる身体との関係性に焦点を当てた内容です。ピークドラペルやシャツの襟先には、パターン操作とアイロンワークによって人為的なカールが施され、静的な構造にわずかな揺らぎが与えられています。また、オックスフォードシャツはバイアスカットで仕立てられ、タックインした際に生まれるドレープが意図的に強調されています。衣服は完成形として存在するのではなく、「着用時の動きによって完成する表情」を前提に設計されています。
Courtesy of SOSHIOTSUKI
「ノスタルジー」という感覚への問い
今季の制作背景には、「ノスタルジー」という感覚への問いがあります。実際には経験していない情景や時代に、なぜ人は懐かしさを覚えるのか。テーラーとしての専門教育や海外での学びを経ていないデザイナーが、テーラリングの本場とされるイタリアへ向かい、その文脈を自分なりに解釈し直す行為は、一種の逆輸入ともいえます。そこにあるのは、模倣でも対立でもなく、距離を保ちながら向き合う姿勢です。
Courtesy of SOSHIOTSUKI
寡黙で硬質な美学、その先へ
寡黙で硬質、過剰な装飾や感情を排した美学は、SOSHIOTSUKIの一貫した特徴です。文化や国籍が異なっても大きく変わらないシルエットの中で、提示されるアイデンティティは、文化的背景に強く依存するものではなく、姿勢や選択の積み重ねによって形成されるものとして示されています。テーラリングを誇張するのではなく、静かに操作し、観察し、未来へと更新していく。その態度が、フィレンツェという場でより鮮明になりました。
Courtesy of SOSHIOTSUKI
コラボレーションを「実験」として位置づける
今季は複数のコラボレーションを通じて、テーラリングという枠組みを異なる領域から再考しています。アートと衣服の境界を横断するPROLETA RE ART、スペイン発のシャツブランドCAMISAS MANOLO、1896年創業のGUNZE、そして2023年から協業を続けるアーティストKOTA OKUDAによるピースが登場しました。さらに、スポーツと身体構造の関係性に着目したASICS Sportstyleとの協業も、このランウェイショーを起点に始動しています。これらの取り組みは装飾ではなく、構造や用途、身体性を再考するための「実験」として位置づけられています。
Courtesy of SOSHIOTSUKI
ピッティ・ウオモ109で示された現在地
Pitti Immagine Uomo 109で発表された本コレクションは、テーラリングを特別なものとして誇張するのではなく、静かに扱い、観察し、未来へと接続していく試みでした。フィレンツェという文脈の中心に立ちながらも、自身の距離感を保ち、テーラリングを更新する。その姿勢こそが、SOSHIOTSUKIが今季示した現在地だといえるでしょう。
Courtesy of SOSHIOTSUKI
Courtesy of SOSHIOTSUKI
Courtesy of SOSHIOTSUKI
Courtesy of SOSHIOTSUKI
Courtesy of SOSHIOTSUKI
SOSHIOTSUKI / 大月壮士
2015年よりメンズウェアレーベルSOSHIOTSUKIを立ち上げる。日本人の精神性とテーラーのテクニッ クによって作られるダンディズムを提案。2016年には「LVMH PRIZE 2016」のショートリストにノミ ネート。同年、パリにて展示会を行う。2023年にはRakuten Fashion Week TOKYOにてランウェイ ショーを発表。
「ノスタルジー」という感覚への問い
今季の制作背景には、「ノスタルジー」という感覚への問いがあります。実際には経験していない情景や時代に、なぜ人は懐かしさを覚えるのか。テーラーとしての専門教育や海外での学びを経ていないデザイナーが、テーラリングの本場とされるイタリアへ向かい、その文脈を自分なりに解釈し直す行為は、一種の逆輸入ともいえます。そこにあるのは、模倣でも対立でもなく、距離を保ちながら向き合う姿勢です。
寡黙で硬質な美学、その先へ
寡黙で硬質、過剰な装飾や感情を排した美学は、SOSHIOTSUKIの一貫した特徴です。文化や国籍が異なっても大きく変わらないシルエットの中で、提示されるアイデンティティは、文化的背景に強く依存するものではなく、姿勢や選択の積み重ねによって形成されるものとして示されています。テーラリングを誇張するのではなく、静かに操作し、観察し、未来へと更新していく。その態度が、フィレンツェという場でより鮮明になりました。
コラボレーションを「実験」として位置づける
今季は複数のコラボレーションを通じて、テーラリングという枠組みを異なる領域から再考しています。アートと衣服の境界を横断するPROLETA RE ART、スペイン発のシャツブランドCAMISAS MANOLO、1896年創業のGUNZE、そして2023年から協業を続けるアーティストKOTA OKUDAによるピースが登場しました。さらに、スポーツと身体構造の関係性に着目したASICS Sportstyleとの協業も、このランウェイショーを起点に始動しています。これらの取り組みは装飾ではなく、構造や用途、身体性を再考するための「実験」として位置づけられています。
ピッティ・ウオモ109で示された現在地
Pitti Immagine Uomo 109で発表された本コレクションは、テーラリングを特別なものとして誇張するのではなく、静かに扱い、観察し、未来へと接続していく試みでした。フィレンツェという文脈の中心に立ちながらも、自身の距離感を保ち、テーラリングを更新する。その姿勢こそが、SOSHIOTSUKIが今季示した現在地だといえるでしょう。
SOSHIOTSUKI / 大月壮士
2015年よりメンズウェアレーベルSOSHIOTSUKIを立ち上げる。日本人の精神性とテーラーのテクニッ クによって作られるダンディズムを提案。2016年には「LVMH PRIZE 2016」のショートリストにノミ ネート。同年、パリにて展示会を行う。2023年にはRakuten Fashion Week TOKYOにてランウェイ ショーを発表。
2025年には「LVMH PRIZE 2025」のファイナリストに選ばれる。