Paul Smith 2026年秋冬メンズコレクション──“集めること”から立ち上がる、新たなスタイル
ポール・スミスはミラノ・ファッション・ウィークにて、ブランドを象徴するテーラリングと、その豊かな歴史に光を当てた2026年秋冬メンズコレクションを発表しました。
Courtesy of Paul Smith
今季のテーマは「マグパイ・ドレッシング(magpie dressing)」。宝物を集める喜びから着想を得たこのコレクションは、物語やオブジェクトを蒐集する行為そのものを、装いへと落とし込んでいます。蒐集は、長年にわたりポール・スミスのクリエイティブの核となってきた行為です。本コレクションでは、ポール自身のアーカイブをはじめ、英国の書物愛好家たちの世界観、さらには芸術家ジャン・コクトーのボヘミアンな美意識まで、多彩で折衷的なインスピレーションが、ポールらしい視点によってひとつのスタイルへと再構築されています。
Courtesy of Paul Smith
制作にあたってポールは、「新たな視点で捉えること」を軸に、長年メンズ・デザイン部門でクリエイションを担ってきた新ヘッド、サム・コットンとともに取り組みました。着想源となったのは、ノッティンガムに拠点を置くポール・スミスのアーカイブ。55年以上にわたるキャリアの中で生み出された約5,000点のガーメントが保管されています。
Paul Smith / Courtesy of Paul Smith
素材使いにおいては、ハリスツイードやドネガルといった表情豊かなファブリックが印象的に用いられ、英国らしいウィットと温かみをコレクション全体にもたらしています。色彩は、秋冬らしい深みのあるトーンを基調に、差し色やアーカイブプリントを効果的に配置。プリント、パターン、素材の組み合わせによって、装いに奥行きが生まれています。なかでも重要なインスピレーション源のひとつとなったのが、ポールの父が遺した膨大な写真アーカイブです。それらはシャツのプリントとして表現され、コレクションに静かな物語性を添えています。また、アーカイブに多く見られるドット柄も印象的に取り入れられ、透け感や影の表現と組み合わされる一方で、手描きの洋梨モチーフが、ポール・スミスらしい遊び心を感じさせます。
Courtesy of Paul Smith
さらに、ガーメントを内側から丹念に作り替える工程の中で、ライニングには、ポールが長年親しんできた日本の色彩理論から着想を得た配色が用いられています。見えない部分にこそ意味を宿す、その姿勢もまた、蒐集という行為と静かに呼応しています。芸術家ジャン・コクトーの世界観に触発された今季のルックは、どこか“着込まれた”佇まいを感じさせます。日常の装いを愛したという共通点のもと、コクトーがシャツとネクタイを定番とし、ポールが日々スーツを身にまとうように、両者の美意識は「日常に根ざしたユニフォーム」という感覚で重なり合います。洗練されたパリジャン・スタイルの影響を受けながら、レイヤードされたカフスやシアー素材、ボタンカバーといった新たなサルトリアル・ディテールが加えられ、マグパイ・ドレッシングの世界観をより立体的に表現しています。
Courtesy of Paul Smith
アクセサリーにおいても、そのアプローチは貫かれています。揉み革を用いたバッグやベルト、チャームといったアイテムが、装いにさりげない余韻と奥行きを添えています。物語性を重んじるポールは、服だけでなく、音楽や空間演出によってもコレクションを表現しました。
Courtesy of Paul Smith
また、ミラノのポール・スミス本社内では、トロンプ・ルイユ(だまし絵)の手法を用いた演出が施され、随所に遊び心あふれる“発見”が散りばめられました。木製ベンチには、ハサミやコーヒーカップといった日常のオブジェクトをモチーフにしたプリントが配され、ありふれたものの中に潜む美しさと喜びが表現されています。
Courtesy of Paul Smith
Courtesy of Paul Smith
Courtesy of Paul Smith
Courtesy of Paul Smith
Courtesy of Paul Smith
[SHOW CREDITS]
Styling: Ben Schofield
HMU: Matt Mulhall
Casting: Ben Grimes Casting
Production: Holmes Production
Music: Andrew Hale and Peter Smith
About Paul Smith
ポール・スミスは、英国を代表するファッションライフスタイルブランドです。ポジティブな姿勢や好奇心、創造性を大切にしており、その価値観はプロダクト、ショップ、コラボレーションなど、すべてのデザインに反映されています。1970年、英国ノッティンガムで3m×3mの小さなショップとしてスタートし、現在では60以上の国と地域で約130店舗を展開しています。
今季のテーマは「マグパイ・ドレッシング(magpie dressing)」。宝物を集める喜びから着想を得たこのコレクションは、物語やオブジェクトを蒐集する行為そのものを、装いへと落とし込んでいます。蒐集は、長年にわたりポール・スミスのクリエイティブの核となってきた行為です。本コレクションでは、ポール自身のアーカイブをはじめ、英国の書物愛好家たちの世界観、さらには芸術家ジャン・コクトーのボヘミアンな美意識まで、多彩で折衷的なインスピレーションが、ポールらしい視点によってひとつのスタイルへと再構築されています。
制作にあたってポールは、「新たな視点で捉えること」を軸に、長年メンズ・デザイン部門でクリエイションを担ってきた新ヘッド、サム・コットンとともに取り組みました。着想源となったのは、ノッティンガムに拠点を置くポール・スミスのアーカイブ。55年以上にわたるキャリアの中で生み出された約5,000点のガーメントが保管されています。
1980年代後半から1990年代初頭にかけての象徴的なショーやキャンペーンを振り返りながら、ポール・スミスを代表するテーラリングとシルエットを、現代的な視点で再編集しています。随所には、クラシックにひねりを加えるという、ポールならではの美学が息づいています。
素材使いにおいては、ハリスツイードやドネガルといった表情豊かなファブリックが印象的に用いられ、英国らしいウィットと温かみをコレクション全体にもたらしています。色彩は、秋冬らしい深みのあるトーンを基調に、差し色やアーカイブプリントを効果的に配置。プリント、パターン、素材の組み合わせによって、装いに奥行きが生まれています。なかでも重要なインスピレーション源のひとつとなったのが、ポールの父が遺した膨大な写真アーカイブです。それらはシャツのプリントとして表現され、コレクションに静かな物語性を添えています。また、アーカイブに多く見られるドット柄も印象的に取り入れられ、透け感や影の表現と組み合わされる一方で、手描きの洋梨モチーフが、ポール・スミスらしい遊び心を感じさせます。
さらに、ガーメントを内側から丹念に作り替える工程の中で、ライニングには、ポールが長年親しんできた日本の色彩理論から着想を得た配色が用いられています。見えない部分にこそ意味を宿す、その姿勢もまた、蒐集という行為と静かに呼応しています。芸術家ジャン・コクトーの世界観に触発された今季のルックは、どこか“着込まれた”佇まいを感じさせます。日常の装いを愛したという共通点のもと、コクトーがシャツとネクタイを定番とし、ポールが日々スーツを身にまとうように、両者の美意識は「日常に根ざしたユニフォーム」という感覚で重なり合います。洗練されたパリジャン・スタイルの影響を受けながら、レイヤードされたカフスやシアー素材、ボタンカバーといった新たなサルトリアル・ディテールが加えられ、マグパイ・ドレッシングの世界観をより立体的に表現しています。
アクセサリーにおいても、そのアプローチは貫かれています。揉み革を用いたバッグやベルト、チャームといったアイテムが、装いにさりげない余韻と奥行きを添えています。物語性を重んじるポールは、服だけでなく、音楽や空間演出によってもコレクションを表現しました。
会場には、1976年にポール・スミス初期のデザインを記録したアーティスト、コリン・バーンズの原画をもとにしたミューラルが掲げられ、ブランドの原点を想起させます。
また、ミラノのポール・スミス本社内では、トロンプ・ルイユ(だまし絵)の手法を用いた演出が施され、随所に遊び心あふれる“発見”が散りばめられました。木製ベンチには、ハサミやコーヒーカップといった日常のオブジェクトをモチーフにしたプリントが配され、ありふれたものの中に潜む美しさと喜びが表現されています。
[SHOW CREDITS]
Styling: Ben Schofield
HMU: Matt Mulhall
Casting: Ben Grimes Casting
Production: Holmes Production
Music: Andrew Hale and Peter Smith
About Paul Smith
ポール・スミスは、英国を代表するファッションライフスタイルブランドです。ポジティブな姿勢や好奇心、創造性を大切にしており、その価値観はプロダクト、ショップ、コラボレーションなど、すべてのデザインに反映されています。1970年、英国ノッティンガムで3m×3mの小さなショップとしてスタートし、現在では60以上の国と地域で約130店舗を展開しています。