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イソップのセノグラフィー「セブンルームズ」がSKACに出現。映画のセットのように巡る、7つの“住空間”

FASHION HEADLINE
JR常磐線・綾瀬と亀有の間の高架下にあるSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)のギャラリースペース「PARK」に、イソップ(Aēsop)の「セブンルームズ」が2026年2月20日から3月1日まで登場します。セブンルームズは、ひとつながりの映画セットのように展開される、イソップによるセノグラフィーです。

イソップのセノグラフィー「セブンルームズ」がSKACに出現。映画のセットのように巡る、7つの“住空間”
Courtesy of Aēsop

今回のインスピレーション源は、小津安二郎の映画『お早よう』(1959年)に登場する住空間の表現。昔ながらの日本家屋の姿を、イソップの視点で独創的に再解釈した「それぞれの部屋」が用意されます。日常を描く場面の中で、製品パッケージが建築資材となり、あるいは実際の製品が古い調度品に交じって文脈化されて佇む——その設計思想が、鑑賞体験の背骨になっています。

内覧会で印象的だったのは、空間が「香り」や「触感」を伴いながら、映画のシーンのように切り替わっていくことでした。照明や距離感が、生活の気配を過度に説明せず、観る側の記憶や身体感覚に委ねてくる。結果として、プロダクトは“置かれている”以上に、“生活の構造の一部として機能している”ように見えてきます。


イソップのセノグラフィー「セブンルームズ」がSKACに出現。映画のセットのように巡る、7つの“住空間”
Images courtesy of Aēsop (Photography by Jonathan Leijonhufvud)


7つの部屋は、たとえば浴室、私室、居間、日光浴室、台所、工房、そして「余白」として構想された第7の部屋(廊下)で構成されます。通路=廊下を単なる移動ではなく、立ち止まる価値のある境界領域として位置づける点も、セノグラフィー全体の緊張感を支えています。

各部屋の見どころも明確です。浴室はヘアケア/ボディケア等に捧げられ、骨董市で調達した調度品や真鍮の艶が銭湯を想起させ、壁はほのかな香りを纏います。柔らかなレンガのように見える壁面は、実はバーソープで構成されています。

日光浴室は隠れ家のような陽だまりの部屋。屏風やイサム・ノグチのペンダントランプ、デイベッドが休息を誘い、古書とスキンケア製品が併置されます。壁紙には製品ラベルが隙間なく並び、黒とアラバスタ色の妙が空間の表情をつくります。

居間はホーム製品を自由に探索できる部屋で、『イソップブック』のページが壁紙へと変貌を遂げています。家族の集う空間=お茶の時間に捧げられ、小津映画のワンシーンを偲ばせる設計です。

イソップのセノグラフィー「セブンルームズ」がSKACに出現。映画のセットのように巡る、7つの“住空間”
Images courtesy of Aēsop (Photography by Jonathan Leijonhufvud)

「好奇心の私室」は蒐集家の書斎を思わせ、将棋盤の上ではフレグランスボトルが駒の役割を担い、パッケージが壁面を装います。

台所では、陶器の皿が木製の盆の上に丁寧に置かれ、静かに整えられた食卓の風景が立ち上がります。そこには、食事の直前、あるいは食後の余韻のような、誰かの生活の痕跡が感じられます。その周囲の棚には、イソップのパセリシリーズのスキンケア製品が、調味料のように並べられています。陶器や木製の器とともに配置されることで、それらは台所の空間の中に自然に組み込まれ、生活の一場面として提示されています。

工房は、配送箱が連なる壁面が業務用倉庫を思わせ、和紙が空間に溢れます。
天井から吊るされた無数の和紙が幾何学的な影を生み、制作の痕跡が残されています。

会期中は「日々の詩情」と題したプログラムも展開され、週末を中心に、部屋の性質に呼応したイベントが開催されます。ハーバルティーのワークショップ、建築家によるトーク、小津作品をめぐる対話、SKACの成り立ちに迫るトーク、座禅体験、クロージングイベントなど、空間の読解を深める導線が用意されています。また、「ブックエクスチェンジ」では、愛読書を1冊持参すると、アートブックの中から好きな1冊と交換することができます。

イソップのセノグラフィー「セブンルームズ」がSKACに出現。映画のセットのように巡る、7つの“住空間”
Images courtesy of Aēsop (Photography by Jonathan Leijonhufvud)


高架下という都市の余白に設けられたこの空間で、イソップは「住まい」という日常的な構造を、別の視点から静かに立ち上げています。そこにあるのは、機能としての建築ではなく、時間や記憶、そして気配を内包した空間です。

製品は単なるオブジェクトとして置かれるのではなく、壁や家具、あるいは生活の断片として再配置されることで、空間そのものの一部となります。それは、物が存在する意味を問い直すと同時に、日常の中に潜む詩情を可視化する試みとも言えるでしょう。


映画のセットのように連なる七つの部屋を巡る体験は、現実と虚構の境界を行き来しながら、空間と身体、そして記憶の関係を静かに浮かび上がらせます。「セブンルームズ」は、イソップの製品を通じて、日常そのものを新たな視点から見つめ直す機会を提示しています。

INFORMATION
イソップ「セブンルームズ」
会期:2026年2月20日(金)〜3月1日(日)
定休日:2月24日(火)
時間:11:00〜19:00
会場:SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)
住所:東京都葛飾区西亀有3丁目26-4
駐車場:有り(10 台)
アクセス:JR 常磐線『亀有』駅 徒歩12 分

ABOUT Aēsop
イソップは1987年にオーストラリア・メルボルンで創業。スキンケア、ヘアケア、ボディケア、フレグランス、ホーム製品まで幅広い製品を展開し、機能性と感覚的体験の両立を重視した製品開発を行っています。ブランドは世界各地で独自のストアデザインを通じて空間表現にも取り組み、建築や文化との対話を続けています。

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