A-POC ABLE ISSEY MIYAKEとSOAR NYが挑む、「衣服とグラフィックデザインの新境地」
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEと、ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするデザインスタジオSOAR NYによる共同プロジェクト「TYPE-XV SOAR NY project」が始動しました。異分野との協働によって新たな可能性を切り拓いてきたA-POC ABLE ISSEY MIYAKEにとって、本プロジェクトは、衣服とグラフィックデザインの関係性そのものを再定義する試みといえます。単なるビジュアルの重ね合わせではなく、構造、身体、時間の中で立ち現れる表現へと踏み込んでいる点に、この協業の本質があります。
© ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
衣服とグラフィックの関係を更新する試み ファッションにおいてグラフィックはこれまで、主に表層的な装飾として扱われてきました。衣服という立体に対し、平面的なイメージを乗せる行為であり、その多くは視覚的な印象に依存してきました。しかし本プロジェクトでは、その関係が大きく転換されています。A-POC ABLE ISSEY MIYAKEが培ってきた独自のものづくりと、SOAR NYが追求するダイナミックなグラフィックが重なり合うことで、グラフィックは単なる“表面”ではなく、衣服の構造と不可分のものとして再構築されています。そこでは、見るためのデザインではなく、着用し、身体を通して経験されるデザインへと意味が拡張されています。
SOAR NYチームとA-POC ABLEチーム © ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
「Baked Stretch」が生み出す構造としてのグラフィック このプロジェクトの核となるのが、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE独自のプリーツ技術「Baked Stretch」です。特殊な糊を施した生地を高温で膨らませることで、平面的な布が立体へと変化するこの技法により、グラフィックは単なるプリントではなく、構造として浮かび上がります。プリーツの形状そのものがデザインの一部となり、視覚と構造が一体化した表現が成立しています。
© ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
さらに、プリントの段階でパターン線を設計し、その上に色や形を重ねることで、視覚的にも構造的にも整合性のあるデザインが実現されています。これは、グラフィックと衣服が別々に存在するのではなく、最初からひとつの設計として構築されていることを意味しています。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / AOYAMA © ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
動きの中で立ち現れる「瞬間の造形」 本プロジェクトにおけるもう一つの重要な視点は、「固定された美」からの脱却です。着用された衣服は、身体の動きに応じて形状と見え方を変化させます。プリーツが開閉し、グラフィックが伸縮することで、視覚的な印象は絶えず揺らぎ続けます。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO © ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
SOAR NYが持ち込む“モーメンタム”という視点 SOAR NYがグラフィックデザインにおいて重視するキーワードのひとつが「Momentum(モーメンタム)」です。今にも動き出しそうなエネルギーや、時間の流れを内包した構図は、同スタジオの特徴的な表現でもあります。今回のプロジェクトでは、そのモーメンタムが衣服の構造と結びつくことで、グラフィックはより身体的な意味を持つようになっています。直線や色彩の重なりが、単なる視覚的リズムにとどまらず、着用者の動きと同期することで、生きた表現へと変化します。
© ISSEY MIYAKE INC. | Courtesy of SOAR NY, LLC
ニューヨークを拠点に活動するデザインスタジオとしてのグローバルな視点と、日本発のブランドが持つ技術と思想が重なり合うことで、これまでにない表現領域が開かれています。
SOAR NY 花原 正基氏 | Courtesy of SOAR NY, LLC
衣服・身体・空間へと拡張される表現 本プロジェクトの特徴は、衣服単体にとどまらない点にもあります。店舗空間においても、グラフィックの世界観が展開され、マネキンやディスプレイを含めた視覚表現が再構築されています。衣服、身体、空間が連続的につながることで、プロジェクト全体がひとつの体験として成立しています。これは、ファッションをプロダクトとしてではなく、環境や体験として捉えるアプローチともいえます。
ISSEY MIYAKE GINZA / 442 © ISSEY MIYAKE INC.|Courtesy of SOAR NY, LLC
グローバルに展開されるプロジェクト 「TYPE-XV SOAR NY project」は、2026年3月より日本で展開がスタートし、4月以降はパリ、ミラノ、ロンドンなど欧州各都市へと広がります。オンラインも含めたグローバル展開が予定されており、その視点自体が最初から世界を前提として構想されています。日本発のブランドと、ニューヨークを拠点とするデザインスタジオによる協働は、ローカルな文脈に閉じることなく、グローバルな美意識の中で再定義されています。
プロダクトとしての具体像 本プロジェクトでは、3種類の異なるグラフィックが展開されます。
TYPE-XV 001 © ISSEY MIYAKE INC.|Courtesy of SOAR NY, LLC
TYPE-XV 002 © ISSEY MIYAKE INC.|Courtesy of SOAR NY, LLC
TYPE-XV 003 © ISSEY MIYAKE INC.|Courtesy of SOAR NY, LLC
衣服とグラフィック、その関係のその先へ A-POC ABLE ISSEY MIYAKEはこれまでも、衣服の構造や製造プロセスそのものを問い直してきました。その延長線上にある本プロジェクトは、グラフィックデザインという領域を取り込みながら、新たな地平を切り拓こうとしています。ここで提示されているのは、視覚的なデザインの刷新ではありません。衣服がどのように身体と関係し、どのように時間の中で変化するのかという、より根源的な問いへの応答です。
グラフィックと衣服が重なり合うことで生まれるこの表現は、ファッションとデザインの境界を曖昧にしながら、その可能性をさらに押し広げていくだろうと感じさせます。
衣服とグラフィックの関係を更新する試み ファッションにおいてグラフィックはこれまで、主に表層的な装飾として扱われてきました。衣服という立体に対し、平面的なイメージを乗せる行為であり、その多くは視覚的な印象に依存してきました。しかし本プロジェクトでは、その関係が大きく転換されています。A-POC ABLE ISSEY MIYAKEが培ってきた独自のものづくりと、SOAR NYが追求するダイナミックなグラフィックが重なり合うことで、グラフィックは単なる“表面”ではなく、衣服の構造と不可分のものとして再構築されています。そこでは、見るためのデザインではなく、着用し、身体を通して経験されるデザインへと意味が拡張されています。
「Baked Stretch」が生み出す構造としてのグラフィック このプロジェクトの核となるのが、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE独自のプリーツ技術「Baked Stretch」です。特殊な糊を施した生地を高温で膨らませることで、平面的な布が立体へと変化するこの技法により、グラフィックは単なるプリントではなく、構造として浮かび上がります。プリーツの形状そのものがデザインの一部となり、視覚と構造が一体化した表現が成立しています。
さらに、プリントの段階でパターン線を設計し、その上に色や形を重ねることで、視覚的にも構造的にも整合性のあるデザインが実現されています。これは、グラフィックと衣服が別々に存在するのではなく、最初からひとつの設計として構築されていることを意味しています。
動きの中で立ち現れる「瞬間の造形」 本プロジェクトにおけるもう一つの重要な視点は、「固定された美」からの脱却です。着用された衣服は、身体の動きに応じて形状と見え方を変化させます。プリーツが開閉し、グラフィックが伸縮することで、視覚的な印象は絶えず揺らぎ続けます。
そこに現れるのは、静止した完成形ではなく、時間と身体の中で生成される「瞬間の造形」です。この考え方は、A-POCが掲げてきた「着る人が参加するデザイン」という思想とも呼応しています。衣服は完成されたオブジェではなく、身体によって初めて成立するものへと再定義されています。
SOAR NYが持ち込む“モーメンタム”という視点 SOAR NYがグラフィックデザインにおいて重視するキーワードのひとつが「Momentum(モーメンタム)」です。今にも動き出しそうなエネルギーや、時間の流れを内包した構図は、同スタジオの特徴的な表現でもあります。今回のプロジェクトでは、そのモーメンタムが衣服の構造と結びつくことで、グラフィックはより身体的な意味を持つようになっています。直線や色彩の重なりが、単なる視覚的リズムにとどまらず、着用者の動きと同期することで、生きた表現へと変化します。
ニューヨークを拠点に活動するデザインスタジオとしてのグローバルな視点と、日本発のブランドが持つ技術と思想が重なり合うことで、これまでにない表現領域が開かれています。
衣服・身体・空間へと拡張される表現 本プロジェクトの特徴は、衣服単体にとどまらない点にもあります。店舗空間においても、グラフィックの世界観が展開され、マネキンやディスプレイを含めた視覚表現が再構築されています。衣服、身体、空間が連続的につながることで、プロジェクト全体がひとつの体験として成立しています。これは、ファッションをプロダクトとしてではなく、環境や体験として捉えるアプローチともいえます。
グローバルに展開されるプロジェクト 「TYPE-XV SOAR NY project」は、2026年3月より日本で展開がスタートし、4月以降はパリ、ミラノ、ロンドンなど欧州各都市へと広がります。オンラインも含めたグローバル展開が予定されており、その視点自体が最初から世界を前提として構想されています。日本発のブランドと、ニューヨークを拠点とするデザインスタジオによる協働は、ローカルな文脈に閉じることなく、グローバルな美意識の中で再定義されています。
プロダクトとしての具体像 本プロジェクトでは、3種類の異なるグラフィックが展開されます。
「TYPE-XV 001」では、ワンピースとパンツにおいて、構造とグラフィックが密接に結びついた表現が追求されています。続く「TYPE-XV 002」「TYPE-XV 003」では、A-POCを象徴する無縫製ニットにグラフィックが施され、より軽やかな形でその思想が展開されています。いずれも、単なる衣服としてではなく、身体とともに変化する視覚体験として設計されている点に特徴があります。
衣服とグラフィック、その関係のその先へ A-POC ABLE ISSEY MIYAKEはこれまでも、衣服の構造や製造プロセスそのものを問い直してきました。その延長線上にある本プロジェクトは、グラフィックデザインという領域を取り込みながら、新たな地平を切り拓こうとしています。ここで提示されているのは、視覚的なデザインの刷新ではありません。衣服がどのように身体と関係し、どのように時間の中で変化するのかという、より根源的な問いへの応答です。
グラフィックと衣服が重なり合うことで生まれるこの表現は、ファッションとデザインの境界を曖昧にしながら、その可能性をさらに押し広げていくだろうと感じさせます。