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顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義

FASHION HEADLINE
顔とは、どこまでがその人自身なのでしょうか。

韓国のフォトグラファー キム・ヨンジュンと、日本のアートディレクター 吉田ユニによる初のコラボレーション写真展 KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face” が、2026年4月29日から5月28日までの1ヶ月間、麻布台ヒルズギャラリーにて開催されています。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
photo by ©FASHION HEADLINE
スクリーン、ドラマ、舞台など多様な領域で活躍する日韓の俳優62名が参加し、それぞれ2点、計124点の作品がすべて新作として構成された本展は、「人間の最も本質的な美しさ」をテーマに掲げています。私たちは普段、ポートレート写真を「その人を写すもの」として受け取ります。しかし、本展は、その前提を静かにずらしていきます。

62人、124点——“顔”の再構成 本展は、韓国のフォトグラファー、キム・ヨンジュンと、日本のアートディレクター、吉田ユニによる初のコラボレーションによって生まれた写真展です。スクリーン、ドラマ、舞台といった多様なフィールドで活躍する日韓の俳優62名が参加し、それぞれ2点、計124点の作品がすべて新作として構成されています。

長澤まさみ、広瀬すず、小松菜奈、オダギリジョー、坂口健太郎、イ・ビョンホン、ソン・ヘギョ、パク・ヒョンシク、チュ・ジフン、キム・ダミなど、現在のアジアを象徴する俳優たちが一堂に会します。
しかし、この展示が興味深いのは、その“豪華さ”ではありません。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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写真とディレクションのあいだで ここで提示されているのは、単なるポートレートではありません。キム・ヨンジュンは、被写体の一瞬を捉えるフォトグラファーです。一方で吉田ユニは、ビジュアルを構築し、意味を設計するアートディレクターです。

記録する視線と、構成する視線。このふたつが重なったとき、写真は「写すもの」から「組み立てられるもの」へと変化します。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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「花」という装置 本展のテーマは「人間の最も本質的な美しさ」であり、そのモチーフとして「花」が用いられています。しかし、ここでの花は単なる装飾ではありません。
俳優一人ひとりの個性や存在感を引き出すための装置として機能し、顔を覆い、切り取り、あるいは強調することで、イメージそのものを再構成していきます。

私たちは顔を見るのではなく、顔がどのように成立しているかを見ることになります。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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時間の衝突——制作プロセスとしての緊張 この展示を支えているのは、ふたりの制作プロセスの違いです。吉田ユニが一つの作品に長い時間をかけて構築するのに対し、キム・ヨンジュンは短い時間でシャッターを切ります。この時間差は、作品の中で緊張として現れます。

計算された構造と、偶発的な瞬間。その交差点において、ポートレートは単なる記録ではなく、複数の時間が重なったイメージへと変わっていきます。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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「向き合う」という体験 本展のタイトルである「Face to face」は、単なる対面を意味する言葉ではありません。
スマートフォンの画面で消費されることの多い現代のポートレートに対し、実際に作品と向き合う体験を取り戻すことが意図されています。

大きなスケールで提示される作品は、視線の強さや細部のニュアンスを可視化し、私たちの“見る”という行為そのものを更新していきます。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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空間が示すもう一つの構造 会場となる麻布台ヒルズギャラリーでは、写真一枚一枚が明確に見えるようにシンプルに構成されながらも、撮影に使用された要素が空間内に散りばめられています。

完成されたビジュアルだけでなく、その背後にあるプロセスや構造が、空間そのものを通して提示されているのです。

顔を構成するということ——キム・ヨンジュン × 吉田ユニ「Face to face」が示すポートレートの再定義
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顔は「構成されるもの」へ 本展を通して見えてくるのは、ポートレートが必ずしも「個人を写すもの」ではないということです。それは関係性であり、構造であり、解釈でもある。顔とは、与えられるものではなく、構成されるものなのかもしれません。

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【INFORMATION】
KIM YEONG JUN × YOSHIDA YUNI PHOTO EXHIBITION “Face to face”

会期:2026年4月29日(水)– 5月28日(木)※会期中無休
会場:麻布台ヒルズギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1 ガーデンプラザA MB階)
時間:11:00–21:00
料金:一般 2,200円/大学・専門学生 1,500円/中高生 800円/小学生以下 無料

提供:

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