ヤコポ・エトロ--蜷川実花と行く所まで行った“楽園”【INTERVIEW】
Photo by Jun Murakami (c)FASHION HEADLINE
2月12日、「エトロ(ETRO)」は写真家・蜷川実花とコラボレーションしたカプセルコレクション“エデン(Eden)”の販売をスタートした。これに合わせて、エトロ家長男で今回のプロジェクトを手掛けたヤコポ・エトロ氏が来日。17日まで伊勢丹新宿店1階ザ・ステージにオープンしている同コレクションポップアップストアにて彼に話を聞いた。「作品、人柄共に素晴らしいアーティスト」と蜷川に首ったけの様子だ。「昨年伊勢丹新宿店で彼女に作品の撮り下ろしとディスプレイディレクションをしてもらうコラボを行ったが、もっと面白いこと・商品に関することをやりたいと思い、Edenに至ったんだ」と経緯から説明。商品ラインアップは全30型。バッグ、ショール、小物、ウエアなど様々なアイテムが製作された。特徴的な柄は、エトロのペイズリーに蜷川を象徴するモチーフであるバタフライやストーンが載せられたもの。
「実花がミラノに来て、デザインを一緒に決めたんだ。完成したアイテムは若々しくて、楽しくて、フレッシュ、そして可愛い。凄く実花らしい仕上がりだと思わないかい?期待以上のものを作ってくれた。最初に行く所まで行こう、インパクトあるコレクションにしようと伝えたからね(笑)」目を引くのはその柄だが、ファスナーの引き手などの副資材も両者で考えたという。「例えば、僕はクラッチバッグが気に入っているんだけど、ふたを開けると内装は赤、そしてジップやポケットが付いていて機能性にも配慮している。こういう細かいところもディスカッションしたんだ」価格は1万7,850円から10万2,900円と、従来のエトロよりも抑え目。蜷川のポップでファンタジックな世界観と共に、「25歳位の女性達をエトロファンにしていきたい」と若い層へのアプローチにも意気込む。2人は2008年代々木体育館で行われたイベント「エトロサーカス」以来の友人とのことだ。
ヤコポ氏はそれ以来彼女の作品に魅せられている。「彼女は映画監督としても素晴らしい。次はエトロのホームページとブティックで流すための、日本とエトロが融合したようなショートフィルムを作ってもらいたいと考えている。彼女も日本も大好きだからね」。彼は日本に度々来日し、着物生地のコレクションもしているという。「日本文化は最も洗練された文化の一つ。だから日本で生まれたアーティストは世界でも通用する。著名な方では写真家の杉本博司さんや画家の奈良美智さんに興味がある。
いつかコラボできたら」と、日本への造詣の深さを窺わせた。今後同コレクションは銀座三越(2月18日から23日)、阪急うめだ本店(2月26日から3月4日)、東急東横店(2月27日から3月12日)にポップアップストアをオープン。2月18日よりエトロ銀座本店、3月1日より全国のエトロブティックで扱われる。伊勢丹新宿店では2月15日16時より蜷川と『ヌメロ・トウキョウ』編集長の田中杏子のトークショーを開催予定。
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