【日本モード誌クロニクル:横井由利】EC、イベントなどマネタイズの多様性を敷く森バザー--12/12後編
1年半の準備期間を費やし、『ハーパーズ バザー』は、2013年9月20日創刊した。「コアターゲットは働く大人の女性。大人感があり尖り過ぎず、クオリティーが高く、テイストの幅があるモード誌。30代、40代、50代と年齢に左右されない女性が興味を持ち、大人の女性が読めて使えるクオリティーの高いものにしていこうと思いました」(森総編集長)。何度となくターゲットのマッピングをした結果、最もバザーらしいターゲットを導き出したのだ。創刊にあたって、森総編集長(コンテンツとビジネス面を統括)が定めた方向性は、本国版Harper's BAZAARのDNAを忠実に表現することで、他誌との差別化を図るというものだった。その方法の一つとして、創刊号には、1867年から現在までの表紙を集めたベストカバー集を付録に付けた。もう一つが、左開き、つまり文字の横組だった。
これまで、横書きのモード誌はなかったのでそれをポイントにして、他誌との差別化を図ろうというものだ。「実は、これに関しては社内でも賛否両論だったのですが、結局デジタルとの連動を考えると、横書きにしたほうが、縦書きから横書きに変換する時に起こるトラブルが回避できる。