コスチュームナショナルのオフィスに茶室が出現。草間彌生など現代アートが融合
障子は葦をデザインしたもの
裏千家の様式にのっとった茶室「辰巳庵」は、オーナーの白井一成の父の名が由来。地のエネルギーを表す蛇(巳)と、それが天に昇って行く龍(辰)を合わせた名前だ。設計は岡山伸也が担当した。
4.5畳で床の間、躙り口、茶道口など主な平面構成は基本に順じ、床柱、床框、明かりなどはいくつか省略、天井高さは6尺3寸(約1.9m)というコンパクトな造りだ。「従来の茶室と比べて異母兄弟の風貌が感じられる」と岡山は語る。
内部には一本の柱も無く、点前座側に茶道口だけが設けられている。躙り口側には1.2メートル四方の大きな窓が設けられ、そこに巨大な掛け障子が掛けられた。
この障子は葦をデザイン。宝ヶ池の保養所での父子の思い出を元に白井がデザインしたもの。将来さまざまな芸術家にデザインを依頼することを予定している。
また、現代アートに造詣が深い白井らしく、館内には多くのアート作品を展示している。この辰巳庵のお披露目に合わせ、3階と4階のレセプションスペースも特別に公開された。ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)、ハンス・ペーター・フェルドマン(Hans-Peter Feldmann)、ショーン・ランダース(Sean Landers)、草間彌生などの作品が、白を基調としたモダンな建築と融合し、ブランドの世界観とシンクロするような空間を創り上げている。
茶室に飾られた草間彌生の作品
露地
辰巳庵
辰巳庵
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