シャネルNo5歴代ミューズから読み解く、理想の女性像【後編】
Photo Baz Luhrmann
「女性そのものを感じさせる、女性のための香りを」ーーそんなガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)の想いから、物語を紡ぎ始めたシャネルNo5。複雑に構成された花の香りは独創的で、永遠の女性らしさを表現しています。その広告やTVCMを彩ってきたミューズたちもまた、世界中の女性たちが憧れ、理想とする女性らしさに満ちていました。女性が社会的地位を手にするようになった近年。“女性らしさ”の定義もまた変遷してきました。美貌はもちろん、ファッションや佇まいなどビジュアルへの憧れが強かった以前とは異なり、自立した女性像が理想とされ、その “生き方”までもが羨望の的となったのです。現代の女性らしさを数々のストーリーとして紡ぎ出したのは、幾人もの映画界の巨匠たち。
たとえば、『レオン』や『トランスポーター』シリーズで知られるリュック・ベッソン(Luc Besson)監督もその一人。グリム童話の「赤ずきん」をモチーフにした世界を描き出し、No5のイメージを刷新しました。元シンクロナイズドスイミング選手であるエステラ・ウォーレン(Estella Warren)