ケリングが課題を克服するために行っていること--マリ=クレール・ダヴォ2/3【エシカル特集】
開発した生地を説明するマリ=クレール・ダヴォ氏
ケリングは環境保全に必要な数量的目標を実行するために、大学関係者や専門家、NGOなどの協力を得て、二つのツールを導入した。
一つは、環境負荷を測定するツールで「環境損益計算書(EP&L/Environmental Profit and Loss account)」と呼ばれるものだ。通常は二酸化炭素の排出量はトン、排水はリットルという単位を用いるが、ケリングではすべてドルやユーロの貨幣単位で表している。この方法を用いると財務部門とも意思疎通が容易になり、企業としてのリスクマネジメントに役立つという。※グループ内のプーマは既に2010年にEP&Lを公表している。
グループ、及びブランドでこの共通指標を採用することで、投資の優先順位や、環境負荷を削減する手段の策定に繋がり、コストパフォーマンスの向上にも役立つ。こうした発想は、20世紀的な資本主義のビジネスモデルとは一線を画し、新たなビジネスの機会創出につながるというのが、ケリングの考えだ。
「現在の使命は、遅くとも2016年までにグループレベルのEP&Lを作成すること」