サステナビリティは商品に内在しなければならない--マリ=クレール・ダヴォ3/3【エシカル特集】
マリ=クレール・ダヴォ氏
ケリングは18のラグジュアリーブランドと五つのスポーツ&ライフスタイルブランドのグループだ。そのうちの4分の3を占めるラグジュアリーブランドについてダヴォ氏に聞くと、
「これまでのラグジュアリーから連想される言葉は、ヘリテージ(歴史的遺産)、サヴォアフェール(伝統技)、トラディション(伝統)といったものでした。しかし現在のラグジュアリーは、環境と社会に配慮したサステイナブル・ディベロップメントという考え抜きでは語れません。ピノー会長が定義するように、サステイナブル・ディベロップメントは製品のクオリティーに内在するものである、とケリングは考えているのです」
インタビュー中に手渡されたグッチのバッグは、専門家や大学関係者、なめし業者と共に、重金属フリーのなめし工程を開発して作られたものだった。従来のクロムを使用したなめし工程は、六価クロムという人体に有害な物質が発生していたことを考えると、画期的なバッグと言える。
またこの開発は、各ブランドが目指している環境保全に必要な数量的目標と実行計画に沿うもので、有害物質削減の目標達成に近づくと共に、排水量を減らし、エネルギー消費量の削減にもつながっている。