竹工芸はグローバルに通用する美--公長齋小菅・小菅達之【京都のクリエーティブユニット「GO ON」4/5】
和室に竹を通した優しい影が広がる
1898年創業の老舗竹工芸メーカー「公長齋小菅」が京都のロイヤルパークホテル1階に構える店舗は、伝統工芸を取り扱う店とは想像出来ないほどモダンな店構えである。
「外からは店舗の奥が見えないような作りにしてあります」と常務取締役の小菅達之氏は話す。入り口付近には、日々使うことで愛でる箸、弁当箱、茶筅など日用品が主に並ぶ。店舗奥には細やかな職人技が生みだす花籠、葛篭、竹籠バッグなどが置かれている。いずれも壁面には、籠底に使われる技法を活かした壁飾りが飾られる。店内を見渡すと、実に多様なアイテムに竹が使われていることを実感する。その色も、無垢な竹に加え、朱色、黒と多彩だ。
小菅氏が家業を継いだのは10年前。
当時は会社も苦境に立たされ、跡を継ぐことにしたのも使命感と100年余り受け継いできた家業をここで終わりにしてはいけないという責任感から。ただ、同時にもっと竹の魅力を活かしながら、時代にあったアプローチができるのではないかという確信もあったという。
家具デザイナー・小泉誠とのコラボレーションで、minotakeシリーズを約5年前から展開する。その頃から、先代達が受け継いできた教えを振り返り、職人達が共通の思いを抱けるようなブランドコンセプトづくりを重ねたという。