"日常"に輝きを見出す。ジュエリーボックスのような写真集【2015年最初に読むべき本--Shelf編】
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。今回は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が、新年にふさわしい&運気が上がりそうな書籍をピックアップしました。
■「Does Yellow Run Forever?」ポール・グラハム
イギリス人フォトグラファー、 ポール・グラハム(Paul Graham)の作品集。温かい手触りのベロア地の表紙、金色に塗装された小口、手になじむやや小型のサイズ。宝箱のような装幀の中に収められている写真は、アイルランド西部で撮影された虹、眠る女性、みすぼらしい店構えをしたニューヨークの地金店など…。ポールの作品は、結論のない日々の中に存在する美しさや醜さに思わずはっとする瞬間、あるいは魔法のような出来事を夢見ることに、それだけで生きる意味があると肯定しているかのよう。
新しく始まる1年もまた、大半の日々が「日常」と呼ばれる普通の日々。その1年の大部分を占める日々の中に驚きや夢を見出す気持ちを思い起こさせてくれる本書。
運気を上げるには、まずは日々感受性豊かに、肯定的に生きることではないだろうか。