神秘の国インドで生まれた完全ハンドメイドの絵本【恵文社一乗寺店オススメBOOK】
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週水曜日は、京都に店舗を構える、本と本にまつわるあれこれをセレクトしたショップ、恵文社一乗寺店(京都市左京区一乗寺払殿町10)がオススメする書籍を紹介します。
■「夜の木」バッジュ・シャーム、ドゥルガー・バーイー、ラーム・シン・ウルヴェーティ
本書を発刊したタラ・ブックス(Tara Books)は、南インド・チェンナイにある小さな出版社。少数民族や大衆画家達とともに、製紙、印刷、製本、販売まで全て自分達で賄っており、世界中の書籍愛好家の注目を集めている。
中央インド・ゴンド民族出身のアーティスト、バッジュ・シャーム、ドゥルガー・バーイー、ラーム・シン・ウルヴェーティ、3人の共著により紡がれる樹木をめぐる物語。手漉き紙に古来からインドで使用されている無毒の染料を使った シルクスクリーン印刷により、独特の色合いとタッチで、神が住むと言われる聖なる木々が描かれる。1冊1冊丁寧に手作業で生み出される繊細さと温もりは、日本や欧米の出版物では味わえない神秘性を秘め、まさに工芸品とも言える。
本書は、国内出版社タムラ堂より発刊された日本語翻訳版だが、製作は現地タラ・ブックスが行った。