“線”が紡ぐ森羅万象。銀座メゾンエルメスでグループ展「線を聴く」
ロジェ・カイヨワ「ラグーン」 メノウ 18 x 14 x 0.5 cm フランス国立自然史博物館蔵 ロジェ・カイ ヨワ・ストーン・コレクションより
シンプルな“線”を考察する展覧会「線を聴く」展が4月24日から7月5日まで、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催される。
「線を聴く」は、東京・森美術館「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」(4月25日から7月5日まで)に呼応する展覧会。会場では“線”に焦点をあてた8人の作品をグループ展形式で紹介する。
その中でも、カールステン・ニコライ、シュ・ビン、ロジェ・カイヨワの3人の作品からは、“自然の中に見出された線”というテーマを読み取ることができる。カールステン・ニコライは数式によって形成されるグリッド、線や点のズレによって生じるモアレ現象など、自然科学とその背景の構造に着目している。シュ・ビンの「バックグラウンド・ストーリー」は、採集した植物やゴミ、ガラスを用いて、ある種のだまし絵のような風景画を完成させた。また、『石が描く』で知られるフランスの批評家のロジェ・カイヨワは自身のストーンコレクションの中から、瑪瑙や大理石を切断面した際に現れる、断面の不思議な線描画を紹介している。