ジェイ ダブリュー アンダーソン 2023年秋冬コレクション、過去の自分を通して“未来”を見据える
ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW Anderson)は、2023-24年秋冬コレクションを発表した。
英国ダンサー、マイケル・クラークから着想
今季は、イギリスのコレオグラファーであるマイケル・クラーク(Michael Clark)からインスパイア。マイケル・クラークは、振付師・ダンサーとして“パンク・バレエ”と称される作品を発表し、英国バレエ界に革命をもたらしたと言われている。エキサイティングなビジュアルとパフォーマンスで観る者を引き付けるマイケル・クラークのダンスは、ダンスそのものだけでなく音楽、アート、ファッションといった様々なカルチャーに斬新で刺激的な影響をもたらしている。
ジェイ ダブリュー アンダーソンのデザイナー、ジョナサン・アンダーソンもまた、マイケル・クラークから影響を受けたクリエイターの1人。今季のコレクションの核となるのは“ファンダム”だと自ら語っているように、コレクションピースの随所にはマイケル・クラークのエッセンスが散りばめられている。
マイケル・クラークのステージ衣装やビジュアルをデザインに
例えば、手の甲を表に見せ、シャイニーなグリッターで装飾したピースサインのTシャツや、“God’s”のロゴが見える赤×白のポップなトップスは、マイケル・クラークのポスターデザインにアイディアを得たものだ。また、ダンスの衣装からアイディアを得たピースも散見されており、スマイルマークを逆さにしたサスペンダーパンツや、ふんわりとしたファーを寄せ集めたケープ、“Y MALE”“WITCH?”“the DENTIST”といったタイポグラフィ入りトップスなどが登場している。
15年間のアーカイブをリバイバル
加えて、ジェイ ダブリュー アンダーソンのこれまでの15年間のコレクションを振り返り、意識的にデザインに取り入れているのも印象的だ。2013-14年秋冬コレクションに登場した、袖の上からラベルを貼りつけているかのように布地を重ねたトップスや、2013-14年秋冬コレクションの、凧のように背面の生地が張り出したトレンチコート、2022年秋冬シーズンの、極端に大きなショールカラーのロングコートなどが、生地や表情を新たにリバイバルしている。
ダイナミックな遊び心を感じさせるシルエットや、思わず目を引くようなユニークなひねりなど、アーカイブからピックアップされたデザインはいずれも、ジェイ ダブリュー アンダーソンの象徴的な要素を実感できるものばかり。頻繁に過去を振り返っているわけではないと前置きしたうえで「過去が未来を見通すレンズにもなりうる」と語るジョナサン・アンダーソンが、現在はどのような未来を見据えているのか、今後にも注目だ。
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