メゾン マルジェラ、2022年「アーティザナル」コレクションを展示するインスタレーションが渋谷で
の世界を表現。
さながら“映画館”を彷彿とさせるエントランスを抜けると、「タビ」の足跡に導かれて1階フロアへ。ここには、数か所にスクリーンが設置されており、スクリーンを取り囲むように主人公のカウントとヘン、悪役のスペクトラル・カウボーイズ、ヘンの母親を演じるマネキンが設置されている。
反映されたメゾンのテクニックやコードとは?
着用している2022年「アーティザナル」コレクションに反映された、メゾンの主要なテクニックやコードにはどんなものがあるのだろうか。
例えば、今回の新たなテクニックである“サンドストーミング”。ジャカード、ニードルパンチ、フロッキング、ビーズ刺繍によって、生地表面を砂で覆われたかのように見せるこのテクニックは、アリゾナの砂漠を駆け抜けてきたカウントとヘン、そしてカウボーイたちを彷彿とさせる。オートクチュールならではの精緻な技法から生まれた“砂の浸食”には、時の経過をもデザインとして取り込むメゾン マルジェラならではの美学が潜んでいる。
手術室の医師や看護師が纏う服には、慣れ親しんだモノへの記憶を呼び起こすコード“メモリー・オブ”を表現した。
極めてクラシックなトラペラーズラインのコートは、オートクチュールに使用されるエレガントなダッチェスサテンだけでなく、インダストリアルなムードを醸すネオプレンを採用し、両極とも思える素材をひとつの世界観で表した。