くらし情報『キディル 2025年秋冬コレクション - アナキズム、あるいは今に生き直すパンクの精神』

キディル 2025年秋冬コレクション - アナキズム、あるいは今に生き直すパンクの精神

さて、原宿とパンクという主題を色濃く反映する例のひとつが、原宿のセレクトショップ「アストアロボット(A STORE ROBOT)」とのコラボレーションだといえる。ロンドンのファッション・カルチャーを東京に伝えるため、1982年に誕生した同ショップは、1970年代のパンクムーブメントを象徴する「セディショナリーズ」の復刻権を擁しており、パンクの精神を今なお伝えている。コラボレーションでは、このグラフィックを随所にプリントとして採用した。

アストアロボットに見るように、パンク=アナキズムという抵抗の姿勢は今に伝えられ、ある種「抵抗のオーセンティシティ」を獲得しているといえる。ここに、一見すると相反するアナキズムとオーセンティシティの絶妙な関係を見てとれる。キディルの末安はアナキズムに、「未来を少しでも良くしたい」という希望を捉えている。それならばキディルのファッションとは、現代という時代にあって、均質性に回収されず個に留まること、そのパンクの精神を「生きたもの」として受け継ぐこと──もっと言えば、その時々でパンクを生き直すこと──に、アナキズムのオーセンティシティを示しているといえるだろう。
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