「弦屋光溪 現代浮世絵展」渋谷で開催 - 現代の“写楽”が描く、役者の躍動感に注目
「弦屋光溪 現代浮世絵展“写楽”、その先へ―」が、東京・渋谷のBunkamura ギャラリーで2016年5月13日(金)から22日(日)まで開催される。
弦屋光溪は、存在感のある役者絵と卓越した技術で、国内外から高い評価を得ている木版画家。絵師・彫り師・刷り師のスキルを全て独学で身につけ「現代の“写楽”」と言わしめるまでそのレベルを高めた稀有な作家だ。
摺り終えた版木には全てノミを入れ、二度と擦れなくするという光溪。終えた仕事ではなく、常に先を見据えてきた作家が辿り着くのは、浮世絵であって浮世絵でないようにさえ感じさせる。大胆にデフォルメされた顔・表情・構図により役者へ肉迫する内面的写実性の、痛烈な鋭さとユニークさは、当時の気配をしっかりと踏襲しながら、現代を生きる浮世絵と呼べる様式へと昇華されている。
本展では、2000年を最後に終了した大首絵シリーズの貴重な旧作に、猫をモチーフにした戯画、新作のだまし絵シリーズ、光溪のもう一つのライフワークである自画像など、現代浮世絵の醍醐味を味わえる作品の数々を展覧・販売。役者や動物の動きが見て取れるような傑作の数々が集う。