本や新聞をカットして彫刻へ - 安部典子約5年ぶりに個展を東京・神宮前で開催
ニューヨークをベースに活動するアーティスト・安部典子は、約5年ぶりに日本で個展を開催。「日々変容するカッティングの連続」展が、2016年6月24日(金)から7月30日(土)までの間行われる。
安部は、真っ白な紙を一枚一枚カットし、何百枚ときには千枚単位で重ねて作り上げる彫刻を得意としている。1999年に初めての「カッティングプロジェクト」をスタートし、代表作「Flat Globe」シリーズでは、真っ白でハリのあるユポという紙を慎重に切り抜き、幾重にも重ねることで、両手で支えることができるくらいの大きさのキューブ状の彫刻を生み出した。
また、本や新聞、写真など、社会の中にある既存のメディアをカッターで切り込んでいくシリーズも代表作の一つ。時にアーティストブックや社会・環境の文脈をはらんだ新聞に自らの手で命を吹き込み、アート作品へと昇華させている。
「日々変容するカッティングの連続」と題された本展では、ニューヨークのアトリエで数ヶ月に渡って制作にあたった12点ほどの新作彫刻が展示される予定。シグネチャーである白い紙のレリーフ状の作品やキューブ状の立体作品に加えて、写真集を扱った作品も並ぶ予定だ。