ピエール・アレシンスキー展が渋谷で開催 - 日本の書道をルーツにした作品など約80点

ピエール・アレシンスキー展が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで2016年10月19日(水)から12月8日(木)まで開催される。
日本・ベルギー友好150周年を記念して開催される本展は、ベルギー現代美術を代表する作家・ピエール・アレシンスキー日本初の回顧展。1940年代から最新作までを網羅した約80点を紹介する。
戦後のアートシーンにおいて頭角を現したアレシンスキーは、1948年結成の前衛美術集団「コブラ」の活動を通じて活躍。解散後もその精神を受け継ぎ、90歳近い現在も精力的に制作をつづけ、常に新たな作品を発表しつづけている。
アレシンスキーの作品の魅力は、見る者を圧倒するダイナミックな筆致。そのルーツは、意外にも日本の書道だという。文字に対する意識と自発的で自然な筆さばきに興味をもった彼は、次第に書道の世界に引き込まれた。
50年代初頭には、表象とも文字ともつかないものが全面を覆い尽くした作品《夜》も発表している。
その後、日本の前衛書道誌『墨美(ぼくび)』と出会い、雑誌を主宰していた書家の森田子龍と交流を深めることで、さらに書道の世界に入り込む。彼女との出会いは大きな転機。