「エリザベス ペイトン展」原美術館で開催 - 特有の色彩と繊細な線で描く魅惑の人物像
「エリザベス ペイトン:Still life静/生」が、2017年1月21日(土)から5月7日(日)まで、東京・品川の原美術館で開催される。
エリザベス・ペイトンは、1990年代初頭より絵画や素描、版画を中心に制作してきたアメリカの女性作家。中でも肖像画が特に知られているが、彼女の描く対象は、親しい友人からカート・コバーン(1967-1994)らカルチャーアイコン、バイエルン王のルートヴィヒ 2世(1845- 1886)をはじめとする歴史上の人物まで幅広い。自身にとって“憧れ”の存在や“美”を描いた肖像画の数々は、90年代半ば、時代に新風をもたらす“新しい具象画”と称された。
そんなペイトン作品最大の魅力の一つは、人物像の美しさだろう。特有の色彩や繊細な線づかいをもって、対象の情熱や魅惑、そして美しさを引き出すペイトンは、控えめなサイズに大胆な描写を組み合わせることで、人物の外面と内面との間に生まれる緊張感も同時に表現している。
日本ではこれまで紹介される機会が少なかったペイトンにとって、今回開催される展覧会は日本の美術館では初。多岐にわたるジャンルと主題を擁する作品約40点は、ペイトン自身が25年のキャリアを振り返り選んだものとなっている。