「竹久夢二の春・夏・秋・冬」東京・竹久夢二美術館で - 季節を描いた日本画や挿絵原画など200点展示
竹久夢二の展覧会「竹久夢二の春・夏・秋・冬― 四季の抒情 夢二絵ごよみ ―」が、2017年1月3日(火)から3月26日(日)まで、東京・文京区の竹久夢二美術館で開催される。
竹久夢二(1884-1934)の人気を決定的なものとした、彼の最初の著書のタイトルは『夢二 画集 春の巻』。その後も『夏の巻』『秋の巻』『冬の巻』と季節を冠した画集を発表している夢二にとって、四季への深い愛着は、創作に多彩な影響を与えている重要な要素だ。
本展では、季節の風物が描かれた日本画や挿絵、四季の詩情をうたった詩や短歌など、春夏秋冬それぞれの情趣が表現された作品を紹介。
夢二本人の著作による最後の単行本『春のおくりもの』の函に描かれた作品や、恋人・笠井彦乃をモデルに、市松模様の涼しげな浴衣姿を描いた美人画「夏姿」、秋のセンチメンタルな感情を思い起こさせる、物憂げな少女の画「あきつ」など、夢二がくり返し描いた季節にまつわる作品約200点が展示される。
季節の変化を楽しみ、過ぎ行く季節を惜しむ日本の美的感性。移ろう季節を愛おしんだ夢二の抒情溢れる絵や詩は、季節感の薄れつつある現代に生きる人々にとっては、より一層心に響くものとなりそうだ。