アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド 17年秋冬コレクション
アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)の2017-18年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
今シーズンを作るにあたり興味を向けたのは、第一次世界大戦後中の世界が平和への期待を持ち始めた時期。ランウェイには、ハートや手書き風の花模様など温もりのあるモチーフが飛び交っていて、フォークや紙ごみなどファッション界とは縁遠いアイテムが華やかな光を浴び、そのピースフルな光景がどこかその時代と重なるような気がした。ヴィヴィアン・ウエストウッドがショーに登場したのも、心温まる演出である。
クリエーションを進める上で、ヒントとなったもの。一つは、デザイナー自身が幼少期を過ごした実家と家財。特に、クリムトの作品を好んだ彼の部屋にはレプリカがいくつも貼ってあったという。その姿をデザインに落とし込んだかのように、どこか懐かしい色柄が溢れている。
ドレスやシャツに使われた、花柄やチェック模様は、ウォールペーパーを切り取ったかのように家庭的で、色褪せたような風合いがある。
また、クリムトの中でも特にお気に入りだという『ダナエ』の色彩がテキスタイルに反映されたかのように、黄味がかったベージュやホワイトが連なるシーンもある。