「マティスとルオー ―友情50年の物語―」をあべのハルカスで - 2人の間で交わされた直筆の手紙も
「マティスとルオー ―友情50年の物語―」を大阪・あべのハルカス美術館にて開催。会期は、2017年4月4日(火)から5月28日(日)まで。
色彩画家のアンリ・マティスと、宗教画家のジョルジュ・ルオー。絵画への関心から描き方、絵が持つ印象、そして歩んだ人生まで、全くと言っていいほど異なる天才ふたり。しかし、彼らはフランスの美術学校の同じ教室で学んだことをきっかけに、人生の折節に、友人として、そして芸術家として互いに影響を与え続けたのだ。
本展では、両者の間に交わされた直筆の手紙を交えつつ、初来日作品を含む約140点を紹介。中でも注目は、ルオーの版画集『気晴らし』シリーズの油彩原画全15点が、世界で初めて一堂に展示されることだ。また、マティスの貴重な初期作品も見逃せない。
マティスが生み出すのは、アートの新しい時代を告げるような、リズミカルで鮮やかな色彩の世界。一方でルオーが、そのカンヴァスから浮き上がってきてしまいそうな激しいタッチと、深く濃厚な色彩で生み出す世界からは、中世の絵画に立ち返るような神秘的で厳かな静けさを感じさせる。
自分とは異なる資質を持っているからこそ、彼らは強く互いに惹かれあい、尊敬しあったのかもしれない。