2017年8月3日 17:40
「ダリの挿絵版画」展 - 叙事詩”神曲”やオペラ”カルメン”の世界をダリが描く、福島にて開催
テーマ展「ダリの挿絵版画」〜絵を読む、物語を見る。が福島県諸橋近代美術館にて2017年9月11日(月)から11月30日(木)まで開催される。
今回の展示は、名作文学の世界をサルバトール・ダリが表現した挿絵コレクションを紹介するものだ。シュルレアリスムを代表する芸術家であり、昨年に開催された「ダリ展」でも人気を博したダリの新たの一面を発見できそうなイベントだ。
ダンテの叙事詩”神曲”、ミゲル・デ・セルバンテの”ドン・キホーテ”、ビゼーのオペラ”カルメン”など、文芸史における金字塔と言える作品群をダリがどのように解釈したのかを垣間見ることが出来る。
‘‘ドン・キホーテ”の挿絵は、ダリの特徴的な表現技法「銃弾主義」が端的に表れた作品と言える。火縄銃に装填されたインクの弾丸を石板の上で炸裂させるという衝撃的な描画方法は、風車を巨人と勘違いし向かっていくマッドなドン・キホーテを表現するのにぴったりだったかもしれない。
地獄、煉獄、天国といった世界を描いたダンテの”神曲”。
ダリ以前にもボッティチェリやミケランジェロ、ロダンといった名だたる芸術家によって表現されてきた当作品ではあるが、ダリが描いた挿絵は他の芸術家の作品と比べ、地獄をいかに描写するかの点で決定的に異なっているといえる。