2018年4月25日 18:00
ヴェトモン 2018-19年秋冬コレクション - 歩んできた過去と歩みたい未来
ヴェトモン(Vetements)の2018-19年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
自身のこれまでを振り返る
今季は、デムナ・ヴァザリアのデザイナーとしてのこれまでの道を振り返ったショーだった。そのなかでも彼の刺激でもあったマルタン・マルジェラの影響を大きく受けている。
マルジェラがまだデザイナーを初めて間もない頃、マーケットの古い服の解体と再構築からはじめた創作。それをなぞるように、デムナは、今季のコレクションにヴィンテージ感あるアイテムを豊富に使い、そしてレイヤードのテクニックで見せた。クリーニングされず年月が過ぎ、シワが残ったままのスーツ、大判のビンテージスカーフを巻き付けたようなランダムヘムのスカート、どのアイテムをとってもいくらかの月日の流れを感じられる。
もちろん、解体と再構築の要素も織り交ぜていて、デニムにはその足跡を残すようなズレが生じている。シャツにも同じような解体の跡が残り、少し雑多な感じに張り合わせられたそのあとは、ヴィンテージ感あるアイテムたちに違和感なく溶け込んでいる。
インサイドアウトの手法へのオマージュを感じさせる場面も
もうひとつマルジェラらしさを感じられたのは、表裏を逆に身に着け、裏側を敢えて表にみせた手法。