「ジブリパーク」愛知に22年秋開業 -『千と千尋の神隠し』不思議の街、ハウルの城やタタラ場を再現
スタジオジブリ作品の世界観を再現したテーマパーク「ジブリパーク」が、愛知県の愛・地球博記念公園に誕生。2022年秋から2023年にかけて開業をすすめる。
世界で愛されるスタジオジブリ作品の世界を再現
「ジプリパーク」では、国内外で多くの人に親しまれてきたスタジオジブリ作品の世界観を表現。愛・地球博記念公園の未利用地や既存施設を再整備し、「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」「どんどこ森エリア」の5つのエリアを設ける。
なお、「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」が2022年秋に開業し、その後おおむね1年の時を経て「もののけの里エリア」と「魔女の谷エリア」が2023年に開業予定だ。
「青春の丘エリア」
ジブリパーク北入口側に位置する「青春の丘エリア」は、来場者を迎え、“ジブリの世界”へと導いてくれる場所だ。その入口付近には、既存のエレベーター棟を映画『天空の城ラピュタ』や映画『ハウルの動く城』などのジブリ作品に代表される、19世紀末の空想科学的要素を採用した内外装へ改装し、メインゲートとしての象徴性を持たせる。
『耳をすませば』の「地球屋」や映画で見た風景を再現
平成初めの住宅地を感じさせるような風景が「青春の丘エリア」の最大の特徴。
映画『耳をすませば』に登場する、アンティーク家具や時計の修理・販売を行う店「地球屋」を整備するほか、劇中に登場する電話ボックスや掲示板、電話機などを設置して作品世界を思う存分に味わえる空間を創出する。
また、映画『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」は、家具や小物をミニチュアサイズで制作・再現される。
「ジブリの大倉庫エリア」
2018年9月末をもって営業を終了した温水プールの空間は、通年天候に左右されずに楽しめる施設「ジブリの大倉庫エリア」としてリニューアル。「倉庫」らしさとなつかしさを感じさせる和洋折衷の空間をイメージしており、ジブリ作品の保管・保存を行う展示室、遊び場、売店・喫茶、多くの展示物を収蔵する倉庫などで構成される。展示室は、常設展示室と企画展示室、約170席を設ける映像展示室の3つによって、ジブリ作品の世界を堪能できるよう構成されるという。
『天空の城ラピュタ』の天空の庭&空飛ぶ巨大な船
中でも注目したいのが、映画『天空の城ラピュタ』に登場する廃墟となったラピュタの庭園の再現。さらに、空飛ぶ巨大な船を全長6.3メートルのビッグスケールで設置する。
『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』の世界
子供たちが映画『となりのトトロ』の世界で遊べる部屋にも注目だ。
“ねこバス”なども導入予定だという。さらに映画『千と千尋の神隠し』に登場する不思議の街をイメージした空間も誕生する。
『借りぐらしのアリエッティ』床下の家と小人の庭の再現
もうひとつ、このエリアの見どころとなるのが映画『借りぐらしのアリエッティ』の世界。アリエッティやその家族が暮らす家と、彼女たちの目線で見た植物の茂る庭が巨大なセットで再現されたこの場所では、アリエッティのように小人なったかのような気分を味わうことができる。
「もののけの里エリア」
「もののけの里エリア」には、映画『もののけ姫』に登場するエミシの村とタタラ場をモチーフにした、和風の里山的風景を整備する。園内には、体験学習施設となる「タタラ場」や「炭焼き小屋」、休憩処などを設ける。
また、緑あふれる広場には、タタリ神や乙事主をモチーフにしたオブジェの設置も計画している。あいちサトラボと一体化された同エリアは、体験スポットとしても機能する。
「魔女の谷エリア」
大芝生広場近くにある未利用地は、魔法を題材とした映画『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』の2作品にちなんで、「魔女の谷エリア」として生まれ変わる。
北ヨーロッパをイメージしながら創出された空間には、物語に登場する「ハウルの城」や「オキノ邸」、遊戯施設、休憩・レストラン棟などが整備され、あらゆる用途に応える複合的空間となる。
「どんどこ森エリア」
ジブリパークの中でも緑に囲まれる自然たっぷりの「どんどこ森エリア」では、受付所などを「サツキとメイの家」をイメージしたデザインとし、裏山の森に散策路を再整備。ちなみに“どんどこ”とは、サツキ、メイ、トトロが、蒔いた種の発芽を願って踊ったダンス“どんどこ踊り”に由来する。
昭和の田園風景をイメージしながら、映画の世界観がより身近に感じられる場所を目指す。
エントランスや駐車場も整備
愛・地球博記念公園の北エントランスは、ジブリパークと調和した景観や、公園の表玄関にふさわしい案内所、休憩所、飲食・物販店などの機能をもつ総合案内センターを整備する。また、公園の北駐車場も再整備が行われる。
さらに公園西口の案内所および休憩所を立て替えて、「ジブリの大倉庫エリア」付近には「ジブリパーク」の各エリアをつなぐ園路を改修する。
愛・地球博記念公園を撮影した写真をポスターに
ジブリパークのポスターは、愛・地球博記念公園で撮影された写真を使用しているという。また、ロゴについて、“ジブリ”の部分は宮崎駿が描いたもの、“パーク”の部分は鈴木がそれを真似して書き足したものを採用した。
なお、ジブリパーク誕生に向け、鈴木は「テーマパークの要素も若干いれながら、公園を楽しんでいる方の邪魔はしない公園に」と構想を述べ、最後に「愛知県の皆さん、国内外の多くの皆さんに喜んでいるものになるよう、がんばります」と話している。
「サツキとメイの家」の営業再開
「ジブリパーク」の整備工事スタートにつき、モリコロパーク内の「サツキとメイの家」は2020年7月13日(月)より当面の間休業となっていたが営業を再開。なお、2021年11月以降は、「サツキとメイの家」の工事が再度始まることから、営業期間は2021年10月末までを予定している。
施設概要
「ジブリパーク」
オープン時期:
・青春の丘エリア・ジブリの大倉庫エリア・どんどこ森エリア:2022年秋
・もののけの里エリア・魔女の谷エリア:2023年秋
場所:愛・地球博記念公園
住所:愛知県長久手市茨ケ廻間 乙 1533-1