2019年9月28日 04:50
メゾン マルジェラ 2020年春夏ウィメンズコレクション - 記憶と歴史、その中にある本質
メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2020年春夏「デフィレ」コレクションが、フランス・パリで発表された。メンズ・ウィメンズの新作を合同で披露。
現代社会の“記憶”に注目
今シーズン、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノが注目したのは、情報が溢れるデジタル時代に生きる私たち中にある“記憶”。無数の情報が飛び交う現代社会において、記憶は歪められ、改ざんされ、そして次第に薄れていく。
そんな状態に警鐘を鳴らし、歴史や、歴史が私たちに教えてくれる物事の“本質”に目を向けるべきだというメッセージが込められたのが、今季のコレクションだ。先に発表したオートクチュールにあたる「アーティザナル」コレクションのアイデアから生まれたものでもある。
本質とは何かを問う服
本質とは何かを問う必要性を教えてくれるのは、たとえばヘリンボーンのテーラードジャケットに隠されたある仕掛け。このジャケットには、プリント機がハッキングされてしまったかのような“ハック・プリント”という白いグラフィックが施されているのだが、ヘリンボーンとこのプリントを見比べると、実際にはヘリンボーンはトロンプルイユであり、コットンで仕立てられているという真実に気づかされる。