作家・内藤礼の過去最大規模の個展が金沢で、「うつしあう創造」がテーマのインスタレーション
展覧会「内藤礼うつしあう創造」が、石川の金沢21世紀美術館にて、2020年6月27日(土)から8月23日(日)まで開催される。なお、当初の2020年5月2日(土)の開幕から延期となった。
創造の瞬間を“うつしあい”に捉えて
小さなひとが立ち、水が落ちるところに大地が広がり、糸やリボンが揺れるときに風が生まれ、ビーズやガラスが光をまねき入れる──作家・内藤礼は、空間と対話しながら自然のエレメントや繊細なモチーフを組み合わせ、またカンヴァスの上に淡い色彩を重ねることで、“根源的な生の光景”を表現する作品を制作してきた。
内藤はこれまで『「人(わたし)が作る」を超えること』を問い続けてきたが、過去最大規模の個展となる今回の「内藤礼うつしあう創造」では初めて「創造」をテーマに作品を制作・展示。「創造」を人が自らを主体であると認め、人になろうとする行為だと定義づけ、自然や空間、人との絶えざる対話、すなわち「うつしあい」のただ中に、内藤は「創造」の瞬間を捉えようとする。
人と自然、わたしとあなた、生と死、内と外、そして人と作品のあいだに生じる移し、写し、映し、遷し。両者のあいだに顕われる生気、慈悲などの一体感のうちに、生へと向かおうとする瞬間に「創造」