アポクリファ 2020-21年秋冬コレクション - 1930年代の写真家が捉えた、人間の“二面性”
アポクリファ(APOCRYPHA)の2020-21年秋冬コレクションが発表された。
写真家、アルフレッド・アイゼンスタットが捉えたモノとは
2020年春夏シーズンにデビューし、2季目を迎える新鋭ブランド・アポクリファ。今季のテーマは“THE LEADER”。1930年代に雑誌『LIFE』の写真家として第一線で活動した、アルフレッド・アイゼンスタットの緊迫感あふれる報道写真からインスピレーションを得たピースを展開する。
コレクションは、ミリタリー・ワーク・フォーマルの3セクションで構成。ミリタリージャンルでは、1930年代、アイゼンスタットが撮影した写真に収められている軍服の様なアイテムがラインナップ。威圧感を感じさせる当時の軍服の姿を踏襲し、ポケットやショルダーのディテールを細かに再現したほか、コートやジャケットはインパクトのあるボリューミーなシルエットで構築した。
人間の持つ“二面性”の表現
また、アイゼンスタットが撮影した報道写真の特徴の一つとして、情勢や環境で変わる人々の感情や姿の二面性を克明に捉えていたという点が挙げられる。
デザイナー・播本鈴二はその特徴もデザインソースへと変換し、コレクション内に落とし込んだ。
上部がキルティング、下部は天然素材と異素材を一つのアイテムの中に共存させたコートは、そのアイデアを反映した好例。その他、デニムジャケットの上にさらにレザージャケットを重ねるなど、テイストの異なる同型アイテムを組み合わせたスタイリングでも人間の“二面性”を表現している。
絶妙な裁断&シルエットが光るフォーマルスタイル
フォーマルスタイルのアイテムには、アポクリファが得意とする袖口や裾口に比翼開きを施したダブルブレストのセットアップなどが登場。直線的なカッティングが絶妙なジャケットや、裾にかけて緩やかな広がりを見せるフレアなスラックスには、1930年代のトレンドを意識したグレンチェックを乗せた。
ブラックで染め上げたソリッドなルックスのジャケットは、上質なウール素材で仕立てた。内側には、ウールとは対局に位置する現代的な素材・ナイロンツイルを採用したベストをドッキング。フォーマルウェアとしての上品さを損う事無く、ユニークな捻りを加えた一着に仕上げている。
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