展覧会「デミタスカップの愉しみ」渋谷区立松濤美術館で - ジャポニスム装飾などの陶磁器約380点
展覧会「デミタスカップの愉しみ」が、東京の渋谷区立松濤美術館にて、2021年8月24日(火)から10月10日(日)まで開催される。
“デミタスカップ”の装飾世界
デミタスとは、濃いコーヒーを飲むために使用される小さなコーヒーカップだ。中産階級が勃興した19世紀ヨーロッパでは、コーヒー文化が浸透し、焙煎・抽出技術が発達。エスプレッソに代表される多彩な楽しみ方が広がり、デミタスの需要も増え、多種多様なデザインが作られた。
その一方で19世紀中頃、万国博覧会への日本美術・工芸品の出品を契機に、欧米ではジャポニスムと呼ばれる日本趣味が流行。デミタスにも日本的なモチーフやデザインが取り入れられることに。そして優雅な曲線を特徴とする世紀末のアール・ヌーヴォー様式、20世紀のアール・デコ様式も、デミタスの技巧的な装飾に影響を与えた。
ジャポニスムをはじめ多彩なデザインのデミタスを展示
展覧会「デミタスカップの愉しみ」では、19世紀後半にジャポニスムのデザインを取り入れたカップ&ソーサーや、その影響を受けたアール・ヌーヴォー、アール・デコのデミタスを中心に紹介。
市井の流行を反映したものから繊細優美なデザインまで、小さなサイズに技巧を凝らした陶磁器など約380点を、2部構成で展示する。