マメ クロゴウチ 2021年春夏コレクション - 時間と記憶を繋ぐ窓
マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi )の2021年春夏コレクションが、2020年9月29日(火)にパリ・ファッションウィークにて発表される。
“窓”から考える記憶の物語
デザイナーである黒河内の服作りには、日常の何気ない瞬間や、旅で出会った風景が欠かせないことだ。旅で見た一瞬の景色と感情を慈しみ、それを服に落とし込む。今季はそんなブランドの創作の原点を改めて振り返るようなシーズンとなった。テーマには、日常生活に欠かせない存在である“窓(Window)”を掲げている。
「どうしたことか、自分の撮った写真の中には昔から窓の写真ばかりがある。」そう話す黒河内は、どうしてこんなにも窓が気になる存在なのか考えてみた。
特に気になったのがカーテンの存在だ。カーテンは引っ越してから誰もが真っ先に決めるものである一方、引っ越し後に忘れ去られるものでもある。
誰もいなくなった部屋につるされた哀愁漂うカーテンに、黒河内は、一緒に過ごしてきた人の“記憶の色”があるのではと考える。ひとりぼっちのカーテンには、その部屋で過ごしてきた人との時間がしみ込んでいるはずだと。
今季を俯瞰してみると、“黒河内が見た窓”の世界が広がっている。