カラー 2022年春夏コレクション - 局所的モンタージュの技法

一方、オーバーサイズのチェックジャケットは、バックに大胆なカットアウトを施し、ドレスを彷彿とさせるプリーツをあしらうことで、華やぎを添えた。また、多用されるライン入りのVネックニットも、そのディテールを断片化し、軽やかなスプリングコートに組み合わせている。

こうしたモンタージュは、衣服の構成要素としてばかりではなく、より小さく装飾的な効果を演出するうえでも用いられている。プリーツが軽やかに揺らめくワンピースには、さまざまの素材で作ったフリルを。ベーシックなチノパンのフロントにも、シアーなプリーツの断片を添えて軽やかなアクセントとした。

光や風と戯れるかのような素材感も、春夏ならではだろう。シアーなファブリックは、スリーブのボリューム感が際立つコートやカーディガンなどに大胆に採用することで、軽快な雰囲気とレイヤードによる奥行きを演出した。また、鈍い光沢を帯びた薄手の素材をふんだんに使ったワンピースやスカートは、メタリックなムードと軽やかな揺らめきのコントラストが特徴的だ。

配色は、ひとつのアイテムのなかにも、落ち着いたグレーやブラウン、ベージュなどに、レッドやターコイズ、ブルーといった鮮やかな色みを組み込むことで、遊び心あふれる雰囲気に。もちろん、シックなチェック柄なども多用し、デザインのみならず色や柄にも活気を与えている。