白杖を蹴られた視覚障がい者 周囲に助けを求めると…
元ブラインドサッカー日本代表で、現在は講演家として活動している、落合啓士(@occhi_7ban)さん。
自身が体験したエピソードをTwitterに投稿し、話題を呼んでいます。
ある日、落合さんが駅のホームを歩いていると、白杖(はくじょう)の前を横切ろうとした人に、杖の先を蹴られてしまいました。
それにより、白杖の先端部分が外れてしまったといいます。
※写真はイメージ
困った落合さんが、周囲に助けを求めたところ、若い男性が外れた先端部分を拾って渡してくれたといいます。
そのおかげで、落合さんはケガなどの大事には至らずに済みました。
外れた先端部分は小さなパーツですが、それだけで3千円もする貴重な部位とのことです。
今日駅のホームで白杖の前を横ぎろうとした人に杖の先をけられて先端のパーツがとんでいっちゃいました。
「すいません。このへんに丸いパーツ落ちてませんかぁ?」と大きな声で助けを求めました。優しい若めの男性がひろってくれてほっとしました。だってその丸いのだけで3000円するから。 続く— 落合啓士(ポジティブおっちー)@ブラインドサッカー元日本代表全盲講演家 (@occhi_7ban) October 2, 2021
白杖折られたりしてなきねいりして実費で修理する視覚障害者がほとんど。お金だけじゃなくてこわれたら杖をつく感覚かわるから不安になるし修理にだしにいく時間とか考えるとほんとむだな浪費だから。
白杖の前方をぎりぎりだから大丈夫と横ぎるのはやめましょうという理解が進みますように! #拡散
— 落合啓士(ポジティブおっちー)@ブラインドサッカー元日本代表全盲講演家 (@occhi_7ban) October 2, 2021
白杖は、目の不自由な人が、周囲の情報を入手し、身の安全を確保するために不可欠な用具。
白杖を普段持つ機会がない人には、可動範囲や値段が想像しづらく、実際にその立場にならないと分からないこともあるでしょう。
視覚障がい者にとっては、先端の小さなパーツがないだけでも、杖をついた際の感触が変わるため、不安や恐怖を感じてしまうといいます。
こういった大切な情報と一緒に、他人を想う気持ちも世に広がっていってほしいですね。
また、落合さんは「誤解されないように」と、自身のnoteにて下記のように補足しています。
これらはけっとばした人がわるいわけじゃないんです。
世の中に白杖の前方2mくらいはテリトリーだから横ぎるのはやめましょうって啓蒙活動されてないシステムというかしくみに問題があるんです。
盲導犬も声かけサポートも今ではかなり知られてきましたよね。だから今度は白杖のテリトリーを世の中へ知らせていければこういうことはへっていくと思います。
落合啓士@全盲講演家|noteーより引用
ぼくはこの事故で手に入れたものがあります!
それは
「若者の優しさにふれることができた」という経験です。
だからぼくはどちらかというとハッピーな気持ちになってます。
ツイッターでは文字数の関係でネガティブに伝わってたらいやだなって思って
noteで幸せを伝えさせてもらいました。
おきたできごとをどうとらえるかで人生はかわるから♪
落合啓士@全盲講演家|noteーより引用
落合さんは、今回の事故を『若者の優しさに触れることができたハッピーな出来事』ととらえたのでした。
障がいや、白杖についての理解が進み、全員がより気持ちよく過ごせる社会になっていくとよいですね。
[文・構成/grape編集部]
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