2021年10月15日 16:46
泣いている女性の前に停まった、タクシー 運転手の行動に心打たれる
2021年10月現在、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2021』を開催しています。
今年の作品募集テーマは、コロナ禍によりこれまでと変わった生活スタイルが続くなか、『身の周りであった心温まるエピソード』や、『心が癒されるような体験談』です。
『grape Award 2021』心に響くエッセイを募集!10月31日(日)まで
今回は、昨年の受賞作品の中から『心を拾ってくれたタクシー』をご紹介します。
タクシー運転手という職業をとても尊敬している。
見ず知らずの人を車に乗せて、時には横柄な態度を取られ、理不尽な怒りをぶつけられることもあるだろうに、24時間いつでもしっかりと目的地へと連れて行ってくれる。
東京で働いていた時は、激務ということもありほぼ毎日タクシーに乗っていた。私が新人の頃は、深夜に半泣きで帰路につく私を、運転手さんがよく励ましてくれていた。その時間が私はとても好きだった。
中でも、忘れられない運転手さんがいる。
数年前の年末のこと。仕事でひとつの大きな案件を終えた夜だった。私は、ほぼ2徹状態での肉体労働を終え、身も心も満身創痍、一刻も早く家に帰って暖かい布団に滑り込みたい、その一心だった。