2021年10月17日 17:28
【SUPER RICH感想 1話】眉なし、すっぴんで吠えるヒロインの強烈な存在感・ネタバレあり
第1話を見て、今作ではより純度を高くして幸福を描くための思考実験のベースとして「お金がありすぎる」と「なさすぎる」を往還するべく女性起業家の設定なのだと思った。
江口のりこの存在感が活かされた第1話
まずはヒロイン・氷河衛を演じる江口のりこの突出した存在感に目をみはる。
ストーリー自体は序盤から、ヒロインの不遇な生い立ちや信頼してきた相手の裏切りで息苦しいような展開が続くが、主人公の衛は泣きもわめきもせず、淡々と会社と雇用を守るために金策に走る。
※写真はイメージ
自分の財産すべてを換金する算段を考える。
そういうタフな女性なのかと思わせる一方で、食事を数日忘れて体力の限界で卒倒し(健康なのに食欲に異常が発生するということは、自身を大事に扱えないことに直結している)、自分を裏切って会社の金を持ち逃げしたと思われる共同経営者の一ノ瀬亮(戸次重幸)のことを切り捨てられない。財産はあるが天涯孤独な衛と、根っからの悪人というよりは、薄っぺらい男であろう一ノ瀬との、恋愛とも家族愛ともつかない関係が妙にリアルだ。
かつての上司、今の部下たち。
衛以外の全員が、一ノ瀬という男の害を見抜いてアドバイスしているのに、一ノ瀬に依存している衛ひとりがそれを全く見ぬけずに一ノ瀬が自分の人生にもコミュニティにも不可欠な存在だと信じている。